猫がしきりに体を舐め続けて脱毛や皮膚トラブルが起きている場合、それは「過剰グルーミング」かもしれません。
この記事では、猫の過剰グルーミングとは何か、その原因や症状、特にお腹や背中に多い理由、そしてストレスや皮膚疾患に応じた治療法・対策までを解説します。
さらに、グルーミングケアに役立つおすすめのサプリメントやアイテムも紹介。愛猫の健康を守るために、正しい知識とケア方法を知っておきましょう。
- 過剰グルーミングの原因と見分け方
- ストレスや皮膚トラブルへの対処法
- サプリメントやスプレーなどの具体的なケア商品
- 猫に合った対策の選び方と使い方
猫の過剰グルーミング サプリの選び方
- 過剰グルーミングとは？原因と症状を解説
- 原因はストレス？
- お腹や背中に多い理由
- 治療法は？対策とケア方法
過剰グルーミングとは？原因と症状を解説
過剰グルーミングとは、猫が自分の体を通常以上に頻繁に舐め続ける行動のことです。
通常、グルーミングは猫にとって自然な行為で、体の清潔を保つために行われます。
しかし、過剰グルーミングの場合は、体の一部を執拗に舐め続けてしまい、脱毛や皮膚の炎症を引き起こすことが特徴です。
一般的に、猫が同じ場所を何度も舐めたり、毛がなくなるほど舐め続けるようであれば、過剰グルーミングが疑われます。
この状態が続くと、皮膚に赤みや湿疹ができることがあり、最悪の場合、傷口から感染症を引き起こすリスクもあります。
例えば、お腹や背中、足の付け根など、舐めやすい部分に脱毛が見られることが多いです。
また、グルーミングが止まらず、毛玉を頻繁に吐き出すようになるケースもあります。
これらの症状が見られた場合、早めに対策を講じることが大切です。
原因はストレス？
過剰グルーミングの主な原因の一つに、ストレスが挙げられます。
猫は非常に敏感な生き物で、環境の変化や新しい家族の登場、家具の配置変更など、些細なことでも強いストレスを感じやすい傾向があります。
そうしたストレスが蓄積すると、猫はそれを解消する手段として、自分の体を舐め続ける「過剰グルーミング」という行動をとるようになります。
『Frontiers in Psychiatry』に掲載されたJohnson氏らの研究（2019）では、猫のグルーミング行動は単なる清潔保持だけでなく、感情を落ち着かせる「自己調整行動（self-soothing）」の一種であるとされています。
同研究では、猫がストレス環境に置かれると、グルーミングによって自律神経のバランスを整え、不安を軽減しようとする行動が強化されると報告されています。
たとえば、新しいペットや赤ちゃんの登場、引っ越し、大きな生活音などが続くと、猫にとっては大きなストレス要因になります。
その結果、安心感を得ようとする本能的な行動として、同じ部位を繰り返し舐め続けてしまうのです。
一方で、過剰グルーミングの原因はストレスだけとは限らず、皮膚トラブルや寄生虫、アレルギーといった身体的要因が関係している場合もあります。
このような場合は、まず動物病院で皮膚の異常や健康状態を確認することが重要です。
身体的な異常が見られない場合は、心因性ストレスが主な原因と考えられることが多く、その場合は猫が安心して過ごせる環境づくりが効果的な対策になります。
また、ストレス緩和に役立つサプリメントやフェロモン製品を併用することで、猫の情緒を安定させ、グルーミング行動の改善が期待できるとされています。
参考 Johnson, R. A., Meadows, R. L., & Hart, L. A. (2019).
お腹や背中に多い理由
猫の過剰グルーミングがお腹や背中に多く見られる理由の一つは、これらの部位が舐めやすく、手が届きやすい位置にあるためです。
猫は非常に柔軟な体をしており、舌を使ってほとんどの体の部位をケアできますが、
中でもお腹や背中は特にグルーミングしやすいため、自然と集中しやすくなります。
さらに、ストレスとの関係も見逃せません
特にお腹や背中のような敏感な部位は、安心感を得やすいため、ストレスを感じた際に無意識に集中して舐める行動が現れやすくなります。
お腹は猫にとってデリケートな場所で、わずかな違和感や不快感がきっかけで、執拗に舐めてしまうことがあります。
その結果、特定の部位に繰り返しグルーミングが行われ、脱毛や皮膚トラブルへとつながることがあります。
また、猫にとってグルーミングは体温調整や情緒の安定にも関わる行動であり、寒い季節や心理的な負担が大きいときには、こうした部位へのグルーミングがより強化される傾向があります。
こうした理由から、過剰グルーミングによる脱毛や皮膚トラブルは、お腹や背中に集中することが多いのです。
治療法は？対策とケア方法
過剰グルーミングの治療法や対策としては、まず原因を特定することが最も重要です。
過剰グルーミングの原因がストレスであれば、猫が安心できる環境を整えることが優先されます。
例えば、静かな休息場所を用意したり、猫が気に入るおもちゃで遊ばせる時間を増やすなどの対策が効果的です。
こうした環境の改善が、猫の不安を軽減し、グルーミングの頻度を減らすことにつながります。
一方、皮膚トラブルが原因である場合は、動物病院での診察が必要です。
皮膚に炎症や赤みが見られる場合、抗生物質や抗炎症剤が処方されることがあります。
また、寄生虫や感染症が疑われる場合は、その治療を行うことでグルーミング行動を落ち着かせることが期待できます。
さらに、心因性のグルーミングには、リラックス効果が期待できるサプリメントやフェロモン製品の使用が有効です。
例えば、「ジルケーン」や「ヒーリングケアLFプラス」といったサプリメントは、猫のストレスを緩和し、グルーミング行動を抑える効果が期待できます。
これらを使うことで、薬に頼らずに改善を目指すことができますが、効果は個体差があるため、様子を見ながら使用することが重要です。
ジルケーンの効果と口コミ
ジルケーンは、ストレスを感じやすい猫や犬のために開発されたリラックスサプリメントです。
牛乳から抽出された天然成分「α-カソゼピン」を含み、神経を落ち着かせる作用が期待できます。
薬とは異なり、副作用の心配が少なく、日常的に使用しやすいのが特徴。
過剰なグルーミングや夜鳴き、不安による粗相など、心因性の問題行動の緩和に効果があるとされています。
使用者からの口コミでは、「過剰グルーミングが落ち着いた」「ストレスで鳴き続けていたのが少なくなった」という好意的な評価が多く見られます。
特に、環境の変化や引っ越し、新しい家族の登場など、猫が敏感に感じやすい状況での利用が効果的とされています。
ジルケーンを与えることで、猫の情緒が安定し、安心して過ごせるようになったという飼い主からの声が寄せられています。
昨日初めてジルケーンを服用したきなこ🐾劇的に夜鳴きする時間が短くなりました👏きなこには効果があるのかも。もう少し様子見ます💊 #猫 pic.twitter.com/q0QQzl6EDk
— キジ白つくしちゃんときなこ🐾 (@Neko2Obasan) February 10, 2025
ジルケーン飲んだルナが大人しすぎる
— スピカとルナ (@Spica__Luna) February 1, 2025
まるでラグドールみたい
おしとやかすぎて怖くすらある pic.twitter.com/TzIggNKtBU
一方で、「効果を実感できなかった」「使い続けたが改善が見られなかった」という口コミもあります。
サプリメントのため、即効性が期待できるわけではなく、効果が出るまでに時間がかかる場合もあります。
猫によって個体差が大きく、効果が見られないこともあるため、その場合には獣医師と相談することが望ましいです。
ペットくすりの獣医師は無料で何度でも相談できます。
>> 無料で獣医師に相談する全体として、ジルケーンは多くの猫にとってリラックス効果が期待できるサプリですが、必ずしも全ての猫に効果があるわけではないため、様子を見ながら使用することが重要です。
ヒーリングケアLFプラスの効果と口コミ
ヒーリングケアLFプラスは、猫や犬のストレスによる皮膚トラブル、特に舐め壊しや脱毛、過剰なグルーミングといった「心因性の症状」に向けて開発されたサプリメントです。
アトピーやアレルギー治療では改善が見られないケースに対して、動物皮膚科の専門医が臨床経験をもとに処方設計しています。
配合されているミルクカゼインやラクトフェリン、L-テアニンといった成分は、リラックスや免疫サポートに役立つとされており、特にL-テアニンはリラックス効果に関する科学的な研究報告（論文エビデンス）もある注目の成分です。
実際の飼い主からは、「執拗なグルーミングが落ち着いた」「脱毛していた箇所が目に見えて改善した」「性格が穏やかになり、落ち着いて過ごす時間が増えた」といった声が多く寄せられています。
一方で、効果が出るまでに数日から数週間かかることもあるため、継続して様子を見ながら使うのがポイントです。
猫にも使える安心設計で、ストレスケアを穏やかにサポートしてくれる頼れる存在として、多くの飼い主に選ばれています。
参考 機能性表示食品届出一覧（一般社団法人 食品機能推進協会）
猫の過剰グルーミング サプリで改善を目指す
- ワセリンだけじゃない！皮膚トラブル＆グルーミング対策
- 服の選び方と注意点
- 腰トントンの効果は？
- 週に何回グルーミングすればいい？
ワセリンだけじゃない！皮膚トラブル＆グルーミング対策
ポチップ猫の過剰グルーミングによる皮膚トラブルや脱毛、赤みなどに悩んでいる飼い主さんにとって、保湿と皮膚の保護はとても重要なケアポイントです。
従来はワセリンを使って一時的に皮膚を保護する方法がよく使われてきました。
ワセリンは乾燥によるかゆみを和らげ、皮膚バリアを補う手軽な方法として有効ですが、「舐めても安全」「長時間のケア」「毛並みの改善」といった総合的なケアを求める場合は、より進化したグルーミングアイテムを選ぶのもおすすめです。
ペトラボのグルーミングスプレーは、猫の皮膚や毛並みのケアを目的に開発された、こだわりのスプレータイプケア製品です。
動物看護士とトリミングサロンが共同で開発しており、現場の声をもとに「使いやすく、安全なケア」を実現しています。
このスプレーの特徴は、100％天然成分＆無香料という点。
敏感肌の猫や、においに敏感な猫にも安心して使うことができます。
また、5種の天然美容エキスが配合されており、皮膚の保湿や毛並みのケア、育毛サポートにも効果が期待できます。
さらに、静電気の防止、毛玉の予防、消臭・除菌効果もあり、毎日のケアに幅広く活用できる点も魅力。
発売からわずか1年で20,000本を突破するなど、多くの飼い主さんから支持されています。
敏感肌やアレルギーのある猫にもやさしく使える、安心・多機能なグルーミングスプレーです。
ポチップ服の選び方と注意点
過剰グルーミングの猫に服を着せることは、物理的に舐める行為を防ぐための効果的な方法です。
適切な服を選ぶことで、猫の肌を保護し、皮膚トラブルの悪化を防ぐことができます。
服を選ぶ際には、猫がストレスを感じにくい、動きやすいデザインのものを選ぶことが重要です。
特に、柔らかく伸縮性のある素材を選ぶと、猫にとっても快適で着脱がしやすくなります。
また、サイズ選びも重要なポイントです。猫の体にぴったりとフィットし、脱げにくいサイズを選びましょう。
ただし、きつすぎる服は逆に猫の動きを制限してストレスを与えるため、少し余裕があるものが理想的です。
サイズを測るときは、胴回りや首回り、背中の長さをしっかりと確認し、適切なサイズを選ぶようにしましょう。
注意点として、猫が服を嫌がる場合は無理に着せないことが大切です。
無理に服を着せると、かえってストレスを感じ、過剰グルーミングが悪化する可能性があります。
最初は短時間から始めて、徐々に着る時間を延ばすことで、猫が慣れやすくなります。
また、服を着せた状態で長時間放置せず、定期的に脱がせて皮膚の状態を確認し、異常がないかチェックすることも重要です。
腰トントンの効果は？
腰トントンとは、猫の背中や腰のあたりをリズミカルに軽く叩くマッサージの一種です。
多くの猫はこの動作を気持ちよく感じるため、リラックス効果があるとされています。
特に、猫がストレスを感じているときに行うと、安心感を与えることができ、過剰グルーミングのような不安行動を一時的に緩和するのに役立つことがあります。
具体的には、猫が落ち着いているときに、手のひら全体を使って優しく腰や背中をトントンと叩いてあげることで、心地よさを感じさせ、ストレス解消につなげることができます。
この行為は、親猫が子猫をなだめるような感覚に近いため、多くの猫にとって安心感をもたらすと考えられています。
ただし、全ての猫が腰トントンを好むわけではなく、逆に嫌がる猫もいます。
そのため、猫の反応をよく観察しながら行うことが大切です。もし猫が逃げようとしたり、嫌がる素振りを見せた場合はすぐにやめてください。
また、腰トントンだけでは根本的なストレスの解消にはつながらないため、過剰グルーミングが続く場合には、他の対策と併用することが効果的です。
例えば、リラックス効果のあるサプリメントの使用や、猫が安心できる環境を整えることと組み合わせると、より効果が期待できます。
週に何回グルーミングすればいい？
猫が自分で行うグルーミングは、日常の行動の一部であり、健康を維持するために欠かせません。
一般的には、猫は1日に複数回、合計して1時間以上グルーミングを行うこともあります。
したがって、グルーミングの回数や頻度は猫の性格や健康状態によって異なりますが、通常であれば特に回数を制限する必要はありません。
ただし、飼い主が行うグルーミングについては、週に2〜3回程度を目安にするのが理想的です。
特に、長毛種の猫は毛が絡まりやすいため、週に3回以上のブラッシングが推奨されます。
一方、短毛種の猫はそれほど頻繁にブラッシングする必要はありませんが、週に1〜2回程度ブラッシングをすることで、抜け毛を減らし、毛球症のリスクを低減することができます。
また、グルーミングの頻度を調整する際は、季節にも注意が必要です。
換毛期（春と秋）には毛が多く抜けるため、この時期はブラッシングを増やしてあげると良いでしょう。
これにより、毛が絡まることを防ぎ、猫自身のグルーミングによる飲み込む毛の量を減らすことができます。
過剰にグルーミングを行う猫の場合、ストレスが原因であることも考えられます。
そのため、通常のグルーミングを超えて体の一部を執拗に舐めるようであれば、動物病院での相談を検討してください。
ペットくすりの獣医師は無料で何度でも相談できます。
>> 無料で獣医師に相談するグルーミング自体は健康を保つための自然な行為ですが、頻度が異常に高い場合は適切なケアが必要です。
猫の過剰グルーミングに役立つサプリの選び方と対策 まとめ
猫の過剰グルーミングは、見た目の変化だけでなく、健康や生活の質にも大きな影響を与える行動です。
過剰グルーミングとは何か、原因はストレスなのか、それとも皮膚疾患なのかを見極めた上で、適切な治療法とケア方法を取ることが重要です。
サプリや保湿スプレーなどのアイテムも活用することで、心身のバランスを整える手助けになります。
愛猫の様子をしっかり観察し、必要に応じて獣医師と相談しながら、安心できる環境を整えてあげましょう。
- 過剰グルーミングは猫が同じ場所を執拗に舐め続ける行動である
- 脱毛や皮膚炎、赤みなどが見られる場合は過剰グルーミングの可能性が高い
- 主な原因はストレスだが、皮膚疾患や寄生虫も関係することがある
- 舐めやすいお腹や背中に症状が出やすい傾向がある
- ストレス要因には引っ越し、新しい家族、音などがある
- ストレスによる自己調整行動としてグルーミングが強化される
- 環境改善は最初に取り組むべき基本的な対策である
- 皮膚疾患が疑われる場合は早めに動物病院で診断を受けるべきである
- サプリメントはストレス緩和に有効な補助手段である
- ジルケーンはα-カソゼピン配合で安心して使えるリラックスサプリである
- ジルケーンは夜鳴きや不安行動の緩和にも効果が期待できる
- ヒーリングケアLFプラスは心因性掻痒に特化した成分を含む
- ヒーリングケアLFプラスはL-テアニンの研究エビデンスがある
- 保湿スプレーやワセリンは物理的なケアとして併用できる
- 複数の対策を組み合わせて根本的な改善を目指すことが重要