Dietics(ダイエティクス)は、ペットラインが展開する国産の療法食ブランドです。猫用には、ストルバイト尿石症、慢性腎臓病、減量という異なる健康上の目的に合わせた製品があります。一般的な成猫用フードのように、味や年齢だけで選ぶ商品ではありません。診断と検査結果をもとに、かかりつけの獣医師が選んだ製品を、決められた量と期間で使うことが基本です。
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- Dieticsの猫用製品は、特定の病気や健康状態に合わせた療法食です
- ストルバイトブロック、キドニーキープ、スリムサポートでは目的が異なります
- 成分値が低い・高いという単純比較ではなく、治療方針との一致を確認します
- 初回購入や製品変更、ほかのフードとの併用は獣医師へ相談します
Dieticsは国産療法食
Dieticsを理解するうえで最も重要なのは、健康な猫が好みだけで選ぶ通常食ではなく、獣医師の指導下で使う療法食だという点です。メーカーも、療法食を特定の病気や健康状態に合わせて栄養成分を調整したペットフードと説明しています。
猫用の主なラインアップは、ストルバイト尿石症用の「ストルバイトブロック」、慢性腎臓病用の「キドニーキープ」と「キドニーキープ リッチテイスト」、減量用の「スリムサポート」です。キドニーキープにはドライのほか、ウェットタイプもあります。
いずれも日本製ですが、国産という情報だけで愛猫への適否は決まりません。尿の状態、腎機能、体重、筋肉量、併存疾患などに応じ、どの栄養素をどの程度調整するかが重要です。同じブランド内でも目的が違えば、代用できません。
「療法食」は薬そのものではありませんが、食事管理を通じて治療を支える役割があります。自己判断で開始・終了したり、一般食と自由に混ぜたりすると、意図された栄養設計を崩す可能性があります。病名が同じでも、病期や検査値により選択が変わることにも注意してください。
目的別の違いを確認
製品名は似ていますが、調整している栄養素と目標は大きく異なります。選ぶときは「猫用Dietics」ではなく、何の疾患・状態を管理する製品かを確認します。
| 製品 | 主な目的 | 栄養設計の要点 | 代謝エネルギー |
|---|---|---|---|
| ストルバイトブロック | ストルバイト尿石症 | 尿pHとミネラルバランスを調整 | 350kcal/100g |
| キドニーキープ | 慢性腎臓病 | たんぱく質・リン・ナトリウムを調整 | 360kcal/100g |
| キドニーキープ リッチテイスト | 慢性腎臓病 | 腎臓配慮と嗜好性を意識 | 360kcal/100g |
| キドニーキープ ウェット | 慢性腎臓病 | 水分の多い30gパウチ | 85kcal/100g |
| スリムサポート | 減量 | 脂質と食物繊維を調整 | 290kcal/100g |
この表は製品を自己選択するための診断表ではありません。たとえば尿路疾患でも、結石の種類がストルバイトとは限りません。慢性腎臓病に肥満や尿路疾患が併存する場合も、どの目的を優先し、どの製品を使うかは検査結果から決めます。
同じカロリーでもミネラルやたんぱく質の設計は違います。食いつきがよい、価格が安い、在庫があるという理由だけで、別のDietics製品へ置き換えないでください。
ストルバイトブロック
ストルバイトブロックは、ストルバイト尿石症に対応する猫用療法食です。尿を弱酸性の目標範囲へ保つことと、ミネラルバランスの調整を目的にしています。
公式の目標尿pHは6.0~6.5です。標準成分値は、たんぱく質30.5%、脂質13.8%、粗繊維1.7%、灰分6.7%、水分8.0%、マグネシウム0.08%などで、代謝エネルギーは350kcal/100gです。
内容量は500gと2.1kgがあり、2.1kgは700gずつのジッパー付き3分包です。魚由来原材料を使って嗜好性へ配慮されていますが、原材料には削り節ミール、ミートミール、ビーフオイル、フィッシュパウダーなど複数の動物性素材が含まれます。食物アレルギーがある猫は原材料も確認します。
1日給与量は年齢と体重で分かれ、4kgなら1~6歳で65g、7歳以上で55gが目安です。ただし、尿石症の管理では体重だけでなく、尿検査、画像検査、飲水量、排尿状態の確認が必要です。規定量を守っていても、再検査を省くことはできません。
頻尿、血尿、排尿時に鳴く、トイレへ何度も行く、尿がほとんど出ないといった症状がある場合、フードを買って様子を見るだけでは不十分です。特に雄猫で尿が出ない状態は、尿道閉塞の可能性がある緊急事態です。すぐに動物病院へ連絡してください。
ストルバイト用療法食は、すべての尿石へ使えるわけではありません。シュウ酸カルシウムなど別の結石では管理方針が異なります。また、尿を酸性側へ調整する食事を健康な猫へ予防目的で長期使用するかどうかも、獣医師の判断が必要です。

キドニーキープ各種
キドニーキープは、慢性腎臓病に配慮して、たんぱく質、リン、ナトリウムの量を調整した療法食です。通常タイプ、リッチテイスト、ウェットで形状と一部の成分が異なります。
キドニーキープ
ドライのキドニーキープは、たんぱく質26.3%、リン0.51%、ナトリウム0.28%が標準値です。脂質13.2%、水分8.0%、代謝エネルギー360kcal/100gです。内容量は500gと、700g×3分包の2.1kgがあります。
メーカーは早期の慢性腎臓病にも配慮した設計と説明しています。ただし、健康診断で腎臓関連の数値が一つ高かっただけで自己判断で始めるのではなく、血液検査、尿検査、血圧、画像検査などから獣医師が病期と原因を評価します。
給与量は、4kgなら1~6歳で60g、7歳以上で55gが目安です。腎臓病の猫では食欲や体重が変化しやすいため、表示量へ機械的に固定せず、摂取カロリーと体重、筋肉量を定期的に見直します。
リッチテイスト
リッチテイストは200gで、25gずつ8分包です。たんぱく質26.7%、リン0.51%、ナトリウム0.28%、代謝エネルギー360kcal/100gです。通常タイプと腎臓へ配慮する基本方向は共通ですが、フィッシュオイル、チキンレバーパウダー、ビーフパウダー、あじパウダーなどが加わり、嗜好性へ配慮した原材料構成です。
食欲が落ちやすい慢性腎臓病の猫にとって、食べられることは重要です。一方、リッチテイストという名称だけで必ず食べるとは限りません。通常タイプと原材料が異なるため、アレルギー歴や消化器の反応も確認します。
小分け包装は開封後の風味を保ちやすい利点があります。ただし、25g一袋が必ず一食分とは限りません。一日の給与量を体重と状態に合わせ、何袋と何gを与えるか獣医師と決めます。
ウェットタイプ
ウェットタイプは30gのレトルトパウチで、水分80.4%、たんぱく質5.4%、リン0.06%、ナトリウム0.04%、代謝エネルギー85kcal/100gです。水分の多い食事を取り入れたい猫や、ドライと異なる食感を好む猫の選択肢になります。
100g当たりの成分値は水分量の影響を受けるため、ドライの数値とそのまま比較できません。「たんぱく質5.4%だからドライより極端に低い」と表面上の数字だけで判断せず、乾物換算や一日の総摂取量を獣医師に確認します。
ウェットだけで与える目安は4kgで1日260gです。30gパウチなら複数袋が必要になります。ドライと併用する場合の例は、エネルギーの80%をドライ、20%をウェットから取る前提で、4kgならウェット50gです。ウェットを追加するだけでは一日量が増えるため、ドライを減らします。
開封したパウチは一度に使い切れない場合、メーカー表示に従って冷蔵し、早めに使用します。冷たいままでは香りが弱く食べない猫もいますが、加熱しすぎないようにします。食べ残しを長時間室温に置かないでください。
スリムサポート
スリムサポートは、減量が必要な猫のために、脂質と食物繊維の含有量を調整した療法食です。単に体重が重いという理由で始めず、適正体重と減量ペースを獣医師と決めます。
標準値は、たんぱく質34.6%、脂質8.5%、粗繊維9.2%、食物繊維15.8%、水分8.0%です。代謝エネルギーは290kcal/100gで、満腹感の維持を意識した設計です。グルコサミンとフィッシュオイルも配合されています。
内容量は500gと、700g×3分包の2.1kgです。給与量は現在体重ではなく、獣医師と設定した目標体重を基準にします。目標4kgなら50g、5kgなら55g、6kgなら65gが一日の目安です。
肥満の猫へ急激なカロリー制限を行うと、必要栄養素の不足や肝リピドーシスなど重大な問題につながることがあります。食べない状態を「減量が進んでいる」と考えてはいけません。定期的に体重と筋肉量を測り、獣医師が安全な減量速度を確認します。
おやつ、トッピング、家族からの食べ物も総カロリーへ含めます。スリムサポートを規定量与えながらおやつを追加すれば、計画どおりに減量できない可能性があります。投薬に食品を使う場合も、量を主治医へ伝えてください。
糖尿病、関節疾患、腎臓病などが併存する猫では、低カロリーだけを優先できません。体重管理用製品とほかの療法食を勝手に混ぜるのではなく、どの栄養条件を優先するか相談します。

製品を選ぶ判断順序
Dieticsの選択では、商品比較より診断が先です。症状から病名を推測して製品を買うのではなく、診察と検査を経て目的を決めます。
診断名と現在の病期
尿路症状なら尿検査や画像検査、腎臓病なら血液・尿・血圧など、肥満なら体型と筋肉量、併存疾患を確認します。「シニアだから腎臓用」「太って見えるから減量用」という選び方は避けます。
同じ慢性腎臓病でも、病期、食欲、血中リン濃度、尿たんぱく、血圧、脱水などで食事計画が変わります。ストルバイトも、結晶が見つかったのか、結石があるのか、感染が関係するのかで必要な治療が異なります。
栄養設計と併存疾患
獣医師へ、食物アレルギー歴、消化器症状、ほかの病気、投薬、普段のおやつを伝えます。療法食の目的が合っていても、原材料へ反応する、別の栄養制限と衝突する場合があります。
成分表は高低だけを比べるのではなく、なぜ調整されているかを見ます。キドニーキープのリンと、ストルバイトブロックのマグネシウム・尿pH、スリムサポートの脂質・食物繊維では、評価軸が違います。
サプリメントは目的を整理して選びましょう
ペット用サプリメントには、関節や皮膚・被毛、腸内環境などさまざまな目的の商品があります。あくまで日々の健康管理を補助するものとして考え、体調に不安がある場合は獣医師へ相談しましょう。
食べられる形状と継続性
療法食は、意図した量を継続して食べられて初めて役割を果たします。粒の大きさ、香り、分包、ウェットの好みも獣医師へ共有します。食べない場合は、別の療法食、温度や食器の工夫、併用方法を相談します。
「食べないから」と一般食を大量に混ぜると、栄養調整が薄まります。一方で、必要量を食べない状態を放置することも危険です。どの程度食べなければ連絡すべきかを、開始時に確認しておきます。
購入と切り替えの注意
Dieticsは動物病院専用の国産療法食です。動物病院、またはペットライン公式オンラインストア「どうぶつ病院宅配便」で購入し、初めての場合は必ず動物病院へ相談します。
公式オンラインストアの利用には動物病院コードが必要です。これは、かかりつけ獣医師が選んだ療法食を継続購入する仕組みです。通販で見つけたという理由だけで、診断を受けずに購入する商品ではありません。
開始時は、獣医師から即時切り替えの指示がない限り、従来食へ少量ずつ混ぜて移行します。ただし、尿石の溶解など治療上の理由でほかの食事を避ける必要がある場合もあるため、日数と混ぜ方を確認してください。
切り替え中は、食べた量、飲水、嘔吐、便、尿の回数と量、体重を記録します。腎臓病なら食欲と体重、尿路疾患なら排尿行動、減量なら週ごとの体重と筋肉量など、目的に合う項目を追います。
食事を替えた後の再診時期も事前に決めます。尿pHや結晶、腎臓の検査値、減量速度は家庭で見た目だけでは評価できません。調子がよさそうでも、指示された検査を省かないでください。
自己判断を避ける理由
療法食は栄養素を意図的に調整しているため、対象外の猫や別の病気の猫へ長期間与えると、必要な栄養条件に合わない可能性があります。健康維持用フードとは選び方が異なります。
ストルバイトブロックで目標とする尿pHは、ストルバイト管理のためのものです。尿を酸性にすればすべての結石を防げるわけではなく、別種類の結石との関係もあります。家庭用尿pH試験紙の数値だけで製品を開始・中止しません。
キドニーキープで調整されたたんぱく質やリンは慢性腎臓病を意識したものですが、健康な若い猫へ「腎臓病予防」として与える判断は適切とは限りません。腎臓病かどうか、どの段階かを評価してから使います。
スリムサポートはカロリーが低めでも、好きなだけ食べてよい商品ではありません。目標体重に基づく量を計量し、減量中も食欲、筋肉、体調を守る必要があります。
また、療法食を二種類混ぜれば両方の病気へ同時に対応できるとは限りません。半分ずつにすると、どちらの設計も目標値から外れる可能性があります。併存疾患では、獣医師が優先順位と検査計画を決めます。

使用中に確認すること
療法食を始めた後は、食べたかどうかだけでなく、治療目的に沿った指標を記録します。家庭の記録と動物病院の検査を組み合わせて評価します。
毎日の給与量はキッチンスケールで量り、家族全員が同じ一日量を共有します。分包一袋が一日量と一致するとは限りません。おやつや投薬補助食品を与えた場合も記録します。
体重は、減量用なら週単位、腎臓病や尿路疾患でも定期的に同じ条件で測ります。急な減少は、食事療法の成功ではなく、食欲低下や病気の進行かもしれません。体重だけでなく、背中や太ももの筋肉が減っていないかも見ます。
飲水量と尿量は、正確な測定が難しくても「給水器の減りが増えた」「尿塊が大きくなった」など変化を残します。多頭飼いでは個体を分けて観察できる時間を作ります。排尿姿勢だけ繰り返し尿が出ない場合は緊急です。
便、嘔吐、食欲も記録します。新しい療法食を食べない、下痢や嘔吐が続く場合は、別製品へ勝手に替える前に病院へ連絡します。食べない猫へ強制的に口へ押し込む方法は誤嚥や食事嫌悪の原因になるため、指示なしに行わないでください。
保存は製品表示に従い、ドライは密閉して高温多湿と直射日光を避けます。大袋の分包は一度にすべて開けず、未開封部分を保ちます。ウェットは開封後の衛生管理を徹底し、食べ残しを長時間放置しません。
Dieticsのよくある質問
- 健康な猫へ予防目的で与えられますか?
-
自己判断での長期使用は勧められません。各製品は特定の病気や健康状態に合わせて栄養素を調整しています。予防目的で必要かどうかも、検査結果と食事全体を見て獣医師が判断します。
- キドニーキープとストルバイトブロックを混ぜてもよいですか?
-
獣医師の指示なしには混ぜません。腎臓病と尿石症では調整する栄養素や目標が異なり、混ぜるとどちらの設計も薄まる可能性があります。併存する場合は治療の優先順位を相談します。
- キドニーキープの通常品とリッチテイストの違いは?
-
どちらも慢性腎臓病へ配慮し、リンとナトリウムの標準値、カロリーは共通しています。リッチテイストは25g分包で、フィッシュオイル、チキンレバー、ビーフ、あじなど嗜好性を意識した原材料が加わっています。
- 動物病院へ行かずに公式通販で買えますか?
-
公式のどうぶつ病院宅配便には動物病院コードが必要です。初めて購入する人には、メーカーも動物病院への相談を求めています。症状だけで製品を選ばず、診断を受けてください。
- 食べないときは一般食を混ぜてもよいですか?
-
自由に混ぜると療法食の栄養設計が薄まることがあります。一方、食べない状態の放置も危険です。食べた量と期間を伝え、別の療法食や安全な嗜好性対策、ウェット併用の可否を獣医師へ相談します。
まとめ
Dieticsは、ペットラインが展開する動物病院専用の国産療法食です。猫用には、ストルバイト尿石症用のストルバイトブロック、慢性腎臓病用のキドニーキープ各種、減量用のスリムサポートがあります。
ストルバイトブロックは尿pH6.0~6.5を目標にミネラルバランスを調整し、キドニーキープはたんぱく質・リン・ナトリウムを調整しています。スリムサポートは脂質8.5%、食物繊維15.8%、290kcal/100gで、減量と満腹感へ配慮した設計です。
これらの数値は、低いほど、または高いほど優れるというランキングではありません。愛猫の診断名、病期、検査値、適正体重、併存疾患に合うことが重要です。ブランド内の別製品を自由に交換したり混ぜたりせず、獣医師が設定した給与量と再検査の計画に従います。
初回は動物病院へ相談し、継続購入は動物病院または病院コードを使う公式宅配便を利用できます。使用中は食事量、体重、尿、飲水、便、嘔吐、食欲を記録し、食べない、症状が悪化する、尿が出ないなどの異常があれば、フード選びより早い受診を優先してください。

