エキゾチックショートヘアは、その愛らしい外見で人気の猫種ですが、「かわいそう」と言われることもあります。
見た目の特徴が健康面の欠点とされる場合や、手がかかるという理由で後悔する飼い主がいるのも事実です。
また、穏やかな性格とは裏腹に、環境やストレスによって凶暴化するケースがあるという声もあります。
この記事では、エキゾチックショートヘアが「かわいそう」と言われる理由を中心に、飼う際に知っておくべきポイントを詳しく解説します。
あらかじめ正しい知識を得ることで、トラブルを防ぎ、後悔のない猫との暮らしを始める手助けとなるでしょう。
- 「エキゾチックショートヘア かわいそう」と言われる主な理由
- 顔の構造による健康上の問題やケアの必要性
- 性格や生活スタイルが飼いやすさにどう影響するか
- 飼う前に知っておきたい欠点や後悔しないための対策
エキゾチックショートヘアがかわいそうと言われる理由

- エキゾチックショートヘアとはどんな猫?
- 顔はなぜ鼻ぺちゃで涙が出やすいのか
- 障害や奇形、ダウン症との関係は?
- 短命で健康に欠点があるって本当?
エキゾチックショートヘアとはどんな猫?
エキゾチックショートヘアとは、丸い顔とつぶれたような鼻、ふわふわの短毛が特徴の猫種です。
性格は穏やかで人懐っこく、のんびりとした性質を持っています。
ペルシャ猫の外見を保ちつつ、短毛でお手入れがしやすい猫種として人気があります。
もともとは、手間のかかる長毛のペルシャ猫に代わる「より飼いやすい猫」を目指して、ペルシャとアメリカンショートヘアなどを交配することで誕生しました。
この背景から、エキゾチックショートヘアにはペルシャ由来の特徴が色濃く残っており、見た目の愛らしさと性格の穏やかさを併せ持っています。
ただし、運動量はそれほど多くありません。
室内で静かに過ごす時間を好むため、アクティブな猫を想像していると少し物足りなく感じるかもしれません。
一方で、静かな時間を一緒に過ごしたい方や、猫とじっくり信頼関係を築きたい方には理想的なパートナーといえるでしょう。
また、鳴き声も控えめで、来客時にも大騒ぎしない猫です。
そのため、集合住宅などでも飼いやすいとされています。
初心者にもおすすめされる猫種ですが、顔の構造上、ケアが必要な点もあるため、その特徴についても理解しておくことが大切です。
顔はなぜ鼻ぺちゃで涙が出やすいのか

エキゾチックショートヘアが「鼻ぺちゃ」と呼ばれる理由は、顔の骨格にあります。
この猫種は短頭種に分類され、鼻の長さが非常に短い構造になっているのが特徴です。
いわゆる「ぺちゃんこ顔」とも呼ばれるこの外見は、愛嬌があって人気のポイントでもありますが、一方で健康面に影響を与えることもあります。
まず、鼻が短く潰れていることで、鼻腔が狭くなり、呼吸がしづらいという問題が起こりがちです。
暑い時期や運動後に呼吸が荒くなることがあり、特に気温や湿度の高い環境では注意が必要です。
呼吸で体温調整を行う猫にとって、これは大きな負担になることもあります。
また、涙が出やすい原因は「鼻涙管(びるいかん)」と呼ばれる、目と鼻をつなぐ管にあります。
短頭種のエキゾチックショートヘアはこの管が非常に細く、曲がっていることが多いため、涙がスムーズに排出されず、目からあふれ出てしまうのです。
これが「流涙症(りゅうるいしょう)」と呼ばれる症状で、目やにや涙やけの原因にもなります。
このような体のつくりから、日常的に目の周りを清潔に保つケアが欠かせません。
涙や分泌物が皮膚に残ると、炎症や臭いの原因になります。
コットンなどを使って、やさしく拭いてあげることが予防につながります。
愛らしい見た目の裏には、こうしたケアの手間もあることを知っておくとよいでしょう。
障害や奇形、ダウン症との関係は?
エキゾチックショートヘアに対して「ダウン症のように見える」と感じる人がいますが、これは見た目の印象による誤解です。
実際には、猫に人間と同じ意味でのダウン症は存在しません。
ダウン症とは、人間特有の染色体異常によって引き起こされる症候群であり、猫には該当する疾患がありません。
このような誤解が生まれる背景には、エキゾチックショートヘアの顔立ちが関係しています。
鼻が低くてつぶれている、目が大きくて丸い、顔が平たく幅広いなどの特徴は、人間のダウン症の外見的特徴と重なる部分があるため、見た目だけで誤認されやすいのです。
一方で、エキゾチックショートヘアには遺伝的にかかりやすい疾患が存在します。
代表的なものとして「多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)」があります。
この病気は、腎臓に水がたまった袋(嚢胞)が多数できる遺伝性疾患で、腎機能が徐々に低下していきます。
また、「流涙症」もこの猫種によく見られる症状のひとつです。
加えて、近親交配の影響で顔の歪みや噛み合わせの異常などが見られる場合もあります。
これを「奇形」と表現することもありますが、すべての個体に当てはまるわけではありません。
信頼できるブリーダーから迎え入れ、健康状態や家系に関する情報を確認することで、リスクを減らすことが可能です。
このように、エキゾチックショートヘアの外見が「障害があるように見える」という印象を与えることはあっても、実際にダウン症といった障害があるわけではありません。
適切な理解とケアをもって接することで、健康的に暮らすことができる猫種です。
短命で健康に欠点があるって本当?

エキゾチックショートヘアは、その愛らしい見た目と穏やかな性格で人気のある猫種ですが、「短命なのでは?」「健康面に欠点があるのでは?」といった不安を持つ人も少なくありません。
たしかに、この猫種には気をつけておきたい健康上の特徴がありますが、すべての個体が短命というわけではありません。
一般的にエキゾチックショートヘアの平均寿命は12〜13歳ほどとされています。
これは猫全体の平均寿命と比べて少し短めですが、生活環境や日々のケアによって寿命は大きく変わることがあります。
適切な健康管理を行えば、15歳を超えて元気に暮らす子もいます。
この猫種で特に注意したいのが「遺伝性の病気」と「顔の構造に由来するトラブル」です。
エキゾチックショートヘアはペルシャ猫の血を強く受け継いでいるため、ペルシャに多く見られる病気を発症するリスクが高くなっています。
中でも「多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)」は要注意の病気です。
これは腎臓に嚢胞(液体の袋)が複数できる遺伝性疾患で、腎機能の低下を引き起こします。
進行すれば腎不全を招く可能性もあるため、日常的な健康チェックと早期診断が重要です。
また、顔がぺしゃんこという特徴は可愛らしさのひとつですが、健康面では呼吸や涙のトラブルを引き起こす原因にもなります。
鼻が短いため空気の通り道が狭く、いびきをかいたり、暑さに弱かったりすることがあります。
さらに、涙が正常に排出されにくいため、目の周りが常に濡れてしまい、皮膚炎の原因になることもあるのです。
これらの点を踏まえると、エキゾチックショートヘアには確かに「健康面で注意が必要なポイント」がいくつか存在しています。
ただし、それらを理解した上でしっかりとケアをすれば、日常生活に大きな支障をきたすことはありません。
定期的な健康診断や、日々の観察・ケアが長生きの鍵となります。
短命で健康に問題があるというのは、一面では事実に見えるかもしれません。
しかし、事前にリスクを把握し、予防や管理に努めることで、健康的で充実した猫との暮らしを実現できるはずです。
特性を理解し、正しく向き合う姿勢こそが、飼い主に求められる大切な心構えといえるでしょう。
エキゾチックショートヘアがかわいそうと言われないために

- 性格は飼いやすい?人懐っこい魅力
- 凶暴化の可能性や注意点について
- 飼って後悔しないために知っておくべきこと
性格は飼いやすい?人懐っこい魅力
エキゾチックショートヘアは、猫を初めて飼う方にもおすすめされるほど、飼いやすい性格を持つ猫種です。
基本的に温和でおっとりしており、攻撃的な行動を取ることは少ないため、穏やかな時間を共に過ごしたい方に向いています。
この猫種の性格は、ペルシャ猫の影響を色濃く受け継いでいます。
落ち着いた行動を好み、突然走り回ったり高い場所へジャンプしたりするような活発な動きは少ないのが特徴です。
そのため、家具やインテリアを壊される心配も少なく、マンションや賃貸住宅など限られた空間でも飼いやすいと言えるでしょう。
また、人との関係性においても、エキゾチックショートヘアは非常に愛情深い一面を見せます。
飼い主のそばにいることが好きで、膝の上でくつろぐのを好む子も多く見られます。
スキンシップを積極的に取りに来るため、家族の一員としての存在感も強く、日々の癒しになってくれる存在です。
ただし、個体差はあるため、すべての子が同じように人懐っこいとは限りません。
中には控えめな性格で、自分のペースで過ごすのを好む子もいます。
その場合は、無理に触れ合おうとせず、猫が安心できる環境を用意してあげることで、少しずつ心を開いてくれることもあります。
このように、エキゾチックショートヘアは人懐っこく、のんびりとした性格が魅力の猫種です。
静かな暮らしを望む方や、密なコミュニケーションを取りたい飼い主にとっては、非常に相性が良いパートナーとなるでしょう。
凶暴化の可能性や注意点について

エキゾチックショートヘアは温厚で穏やかな性格の猫種として知られていますが、絶対に凶暴にならないとは言い切れません。
猫である以上、ストレスや体調不良などによって、一時的に攻撃的な態度を見せる可能性は誰にでもあるからです。
一般的に、この猫種はのんびりとした性格で、突然噛みついたり引っかいたりすることは少ないとされています。
ただ、環境の変化や人間との距離感に敏感な一面もあるため、乱暴な扱いや無理な抱っこは避けた方が安心です。
例えば、静かな場所を好むエキゾチックショートヘアにとって、頻繁な来客や大きな音がする環境は強いストレスになります。
こうしたストレスが溜まると、不機嫌になったり、自分のテリトリーを守ろうとして攻撃的になることも考えられます。
また、体調不良のときに触れられることを嫌がり、思わず手を出してしまうケースもあります。
凶暴化を防ぐためには、まず猫の様子をよく観察することが重要です。
普段と違う行動が見られた場合には、体調不良やストレスが原因である可能性を疑い、早めに対処しましょう。
健康状態の確認はもちろんのこと、猫の性格や生活リズムに合わせた対応が求められます。
一方で、子猫期の社会化も非常に重要です。
人とのふれあいや他の動物との接触を通して、ストレスに強く、感情のコントロールができる子に育ちやすくなります。
凶暴化はまれなケースではありますが、猫との信頼関係を築くうえで、常に相手の気持ちを尊重し、無理強いをしないことが、安心して暮らせる関係づくりの基本です。
飼って後悔しないために知っておくべきこと
エキゾチックショートヘアを迎える前に、飼い主として知っておきたいことはたくさんあります。
外見の可愛らしさだけで選んでしまうと、後になって「思っていたのと違った」と感じてしまう可能性があるためです。
この猫種はその見た目から「ブサカワ」として親しまれる一方、顔の構造に起因するケアの手間が多くあります。
例えば、鼻が潰れたような形状をしているため、涙があふれやすく、毎日のように目元を拭いてあげる必要があります。
放っておくと涙やけや皮膚炎の原因となり、衛生的にも問題が出てしまうことがあります。
さらに、多発性嚢胞腎などの遺伝性疾患や、呼吸がしづらい構造による熱中症のリスクなど、健康面で注意が必要なポイントも少なくありません。
定期的な健康診断や早期の病気発見が長く一緒に暮らすためのカギとなります。
もうひとつ考慮すべきなのは、性格的に非常に人懐っこいため、長時間の留守番が苦手な場合があるという点です。
飼い主のそばで過ごすのが好きな子が多いため、仕事などで日中家を空けることが多い方は、猫が寂しさを感じないような工夫が必要になります。
これらのポイントを理解し、受け入れられるかどうかが、後悔せずにエキゾチックショートヘアと暮らすための大きな分かれ道になります。
見た目の可愛さや性格の魅力は確かに大きいですが、それを維持するためには時間と手間がかかることも忘れてはいけません。
理想的な関係を築くためには、しっかりと知識を持ち、必要な準備を整えたうえでお迎えすることが大切です。
あらかじめ猫種の特徴を理解し、環境を整えてあげることで、後悔のない幸せな毎日が待っているはずです。
エキゾチックショートヘアがかわいそうと言われる理由と正しい理解まとめ
エキゾチックショートヘアは見た目の可愛らしさだけでなく、性格の穏やかさや人懐っこさも魅力の猫種です。
一方で、健康管理や日々のケアが欠かせないため、飼うには十分な理解と準備が必要です。
かわいそうと言われる理由を正しく知り、愛情と責任を持って接することで、後悔のない充実した猫との暮らしが実現できるはずです。
- 短頭種のため鼻が潰れており呼吸がしづらい
- 鼻涙管が狭く涙が溢れやすい構造をしている
- 流涙症による目やにや皮膚炎が起きやすい
- 日常的に顔まわりのケアが必要になる
- 暑さに弱く熱中症のリスクが高い
- 遺伝性疾患である多発性嚢胞腎に注意が必要
- 顔の歪みや噛み合わせの異常が起きることがある
- 見た目が原因で「障害がある」と誤解されやすい
- ダウン症との関係はなく、医学的根拠もない
- 活発さは控えめで運動量が少ない傾向がある
- 短命と言われるが健康管理で長生きも可能
- 人懐っこく飼いやすいが留守番が苦手な個体も多い
- ストレスや体調次第で凶暴化する可能性もある
- 毎日のケアや通院で手間がかかる場面もある
- 特徴を理解せずに迎えると後悔につながりやすい