犬の無駄吠えトレーニングの基本|叱らないしつけとプロ活用

リビングで大きな声で吠える柴犬と耳をふさぐ女性。無駄吠えによる室内騒音と飼い主の負担。
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愛犬の吠え癖が続くと、ご近所への迷惑が心配になったり、散歩や来客が憂鬱になったりと、飼い主さんの心も休まりませんよね。

実は、無駄吠えを「ただ叱ってやめさせる」のは解決への遠回りになることが多いのです。

大切なのは、「なぜ吠えているのか」という理由を見極め、犬自身が落ち着ける行動に置き換えてあげること。

この記事では、愛犬が吠える心理的な原因を整理したうえで、今日から家庭で試せる具体的なトレーニング手順や、プロの手を借りるべきタイミングについて分かりやすく解説します。

この記事を読むと分かること
  • 愛犬が吠える「本当の理由」を見分けるポイント
  • 逆効果になりがちなNG対応と、効果的な代わりの接し方
  • インターホンや散歩中など、シーン別の練習手順
  • 自力での改善が難しいときの相談先選び

無駄吠えのトレーニングに必要な原因診断と心理

骨と宅配員とボールを連想する柴犬の顔。要求吠え・警戒吠え・興奮吠えの原因診断。

しつけを始める前にまず行いたいのが、「いつ・何に対して・どのように吠えているか」を観察し、犬が吠える目的を理解することです。

私たち人間にとっては意味がないように見える吠えでも、犬にとっては「要求」「警戒」「不安」といった切実なメッセージが込められています。

ここでは、犬の行動心理にもとづいて、吠えの背景にある原因を探っていきましょう。

叱り続けるのは逆効果になりやすい|犬が吠える理由と学習の仕組み

指をさして叱る飼い主と吠え続ける柴犬。叱り続ける無駄吠えトレーニングの逆効果。

吠えた瞬間に「静かに!」「ダメ!」と大声を出したり、大きな音で驚かせたりすると、一時的に吠え止むことはあるでしょう。

しかし、こうした対応は状況によっては逆効果となり、かえって吠え癖を強めてしまうリスクがあります。

犬の行動は、次のような学習の仕組みによって強化されていきます。

  • 吠えた結果、良いことが起きた
    例:おやつがもらえた、飼い主さんがこっちを見た
  • 吠えた結果、嫌なことが減った
    例:苦手な人が立ち去った、怖い状況が終わった

たとえば、おやつが欲しくて吠えたときに与えてしまうと、犬は「吠えればもらえる」と学習します。

また、郵便配達員に向かって吠えた後に相手がいなくなると、「自分が吠えて追い払った」と解釈し、警戒吠えが定着することがあります。

さらに、飼い主さんが大声で怒ると、犬は「飼い主さんも一緒に興奮している(応援している)」と勘違いしたり、恐怖心から防衛本能で余計に吠えたりする場合もあります。

吠えの原因が「不安」や「恐怖」にあるときほど、叱るのではなく「どうすれば落ち着けるか」を教えてあげるほうが、根本的な改善につながりやすいのです。

要求吠え・警戒吠えなど6つの種類|よくある吠え方と特徴

対策をスムーズに進める近道は、愛犬の吠えがどのタイプに近いかを分類することです。

一般的には、以下の6つのタイプに分けられます。

  • 要求吠え
    「おやつが欲しい」「散歩に行きたい」「かまって」など、自分の要望を通すために吠えます。飼い主さんの顔をじっと見ながら吠えるのが特徴です。
  • 警戒・縄張り吠え
    チャイムの音、窓の外を通る人影、他の犬などに反応し、「こっちに来るな」「怪しいぞ」と警告するように吠えます。
  • 興奮吠え
    飼い主さんの帰宅時や遊びの最中など、嬉しさや期待で感情が高ぶり、つい声が出てしまう状態です。
  • 不安吠え
    留守番中、知らない場所、苦手な音などの刺激によって不安が強まり、パニックのように吠え続けてしまうケースです。震えや落ち着きのなさを伴うこともあります。
  • ストレス吠え
    退屈な時間が多い、運動不足、刺激が足りないといった生活が続き、その発散として吠える頻度が増えることがあります。
  • 遠吠え
    救急車のサイレンや他の犬の鳴き声に本能的に反応したり、孤独感を紛らわせるコミュニケーションとして声を出したりすることがあります。

子犬・成犬で変わる|ライフステージ別の原因と対策の考え方

犬の年齢やライフステージによっても、吠える理由は変化します。

子犬期は、人間社会のルールをまだ学んでいる最中です。好奇心旺盛で、単純に「かまってほしい」という要求から吠えることが多くなります。

この時期に「吠えても要求は通らない」と学習させ、代わりに落ち着いて待つ行動を教えておくことで、将来的な問題行動を予防できます。

成犬になってからの無駄吠えは、過去の成功体験によって行動が強化され、習慣として定着しているケースが少なくありません。

この場合、単なるしつけだけでなく、生活環境の見直しや、家族全員が一貫したルールで接し直す「再学習」が重要になります。

留守番中の不安・ストレスが原因の吠え|分離不安のサインにも注意

ラグの上で知育玩具を噛む柴犬。留守番中の無駄吠え対策としてのストレス発散と退屈対策。

留守番中にずっと吠え続けている場合、それはワガママではなく、強い不安の表れかもしれません。

飼い主さんがいないことでパニックになる「分離不安」の状態では、吠える以外にも家具の破壊や粗相が見られることがあります。

この場合、叱って止めさせるのではなく、犬が一人でも安心して過ごせる工夫が必要です。

まずは、次のような対策を取り入れてみましょう。

  • 出かける前に十分な散歩や遊びを行い、エネルギーを発散させておく
  • 長時間夢中になれる知育玩具におやつを詰めて与え、「一人の時間は楽しい」という記憶を作る
  • テレビやラジオを小さく流しておき、無音による不安を和らげる
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また、食事やサプリメントからメンタルケアをサポートする方法もあります。

GABA、L-テアニン、トリプトファンといった成分は、興奮や不安への配慮として注目されています。

たとえば「無駄吠えのしつけプラス」は、こうした成分や乳酸菌を配合した成犬用の総合栄養食です。

普段のご飯として取り入れるだけで良いため、無理なく続けやすいのがメリットです。

体質や持病、現在食べている療法食との相性もありますので、不安な場合はかかりつけの獣医師に相談してから導入を検討してください。

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散歩中・ケージ内で吠えるときの心理|「近づきたい」か「怖い」かを見分ける

散歩中に他の犬や人に向かって吠える場合、理由は大きく2つに分かれます。

  • 「遊んでほしい! 近づきたい!」という興奮
  • 「怖いからあっちに行ってほしい!」という恐怖・警戒

どちらの場合も、リードを強く引いて無理に近づけたり、叱ったりするのは避けましょう。

まずは相手と十分な距離を取り、愛犬が落ち着ける範囲まで離れてから練習を始めます。

体が固まる、前のめりになるといった「吠える直前のサイン」を見逃さないことがポイントです。

サインが出たらすぐに向きを変えて距離を取り、おやつで飼い主さんに注目させる練習を繰り返します。

一方、ケージ内で吠える場合は、「ここから出して!」という要求吠えが大半です。

ここで吠えている最中に出してしまうと、「吠えれば出られる」と誤った学習をしてしまいます。

一瞬でも静かになったタイミングを見計らって出すルールを徹底し、出た後には「おすわり」や「マット」で落ち着く行動を促しましょう。

正しい無駄吠えのトレーニングと状況別の対処法

原因の見当がついたら、具体的なトレーニングに移りましょう。

ここでは、力で抑え込むのではなく、犬自身が納得して「望ましい行動」を選べるようになる方法を中心にご紹介します。

基本は「反応しない」+「静かにできたら褒める」|行動を変えるしつけ方

おすわりした柴犬におやつを与える飼い主。静かにできたら褒める無駄吠えトレーニング。

要求吠えに対して最も基本かつ効果的なのが、「無視(消去)」と「代わりの行動を褒める」ことの組み合わせです。

  1. 吠えている間は徹底的に反応しない
    目を合わせない、声をかけない、体に触れないことを徹底します。「うるさい!」と声をかけることさえ、犬にとっては「反応してもらえた」というご褒美になり得るからです。
  2. 一時的に吠えが激しくなる時期を乗り越える
    無視を始めると、「あれ? いつもなら構ってくれるのに」と犬が戸惑い、一時的に吠え声が大きくなったり長くなったりすることがあります(消去バースト)。
    ここで根負けして反応してしまうと、「もっと激しく吠えれば要求が通る」と学習してしまいます。心を鬼にして一貫性を保ちましょう。
  3. 静かになった瞬間を逃さず褒める
    一瞬でも吠え止んだら、すかさず褒めておやつなどの報酬を与えます。
    「吠える」ことではなく、「静かにする」「指示に従う」ことで良いことが起きると理解させるのが目的です。

重要なのは、ただ吠えを止めさせることではありません。

「おすわり」「アイコンタクト」「マットの上で待つ」など、吠えなくても欲求が満たされる別の正解を教えてあげることです。

インターホンで吠える犬の対策|音に慣らす練習とグッズの考え方

インターホンの前で座る柴犬とおやつを持つ飼い主。チャイム音の脱感作と逆条件づけ。

インターホンの音に激しく反応するのは、「チャイムの音=知らない人が来る=興奮・警戒」という図式が頭の中で完成しているからです。

この結びつきを解くために、音に慣らす練習(脱感作)と、音の印象を良いものに変える練習(逆条件づけ)を行いましょう。

  • 音量を変えて慣らすステップ
    インターホンの音をスマホなどで録音し、犬が反応しないごく小さな音量で再生しながら、大好きなおやつを与えます。
    平気そうであれば音量を少しずつ上げ、回数を増やしていきます。「音が鳴っても怖いことは起きない、むしろ良いことがある」と刷り込んでいきます。
  • “やること”を決めて迷わせない
    音が鳴ったら「自分のハウスに入る」「マットの上でおすわりをする」など、家族で統一したルールを教えます。やるべきことが明確になると、犬の混乱や興奮が静まりやすくなります。

なお、振動や電流、大きな音で驚かせて吠えを止める「無駄吠え防止グッズ」も市販されていますが、使用には注意が必要です。

これらは犬に不快感や痛みを与える罰としての側面が強く、一時的に吠えが止まっても、根本的な不安や警戒心が強まってしまうリスクがあります。

使用を検討する際は慎重になり、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

老犬の無駄吠えは認知症の可能性も|「しつけ」よりケアと受診が優先

シニア期に入ってから、夜中に単調なリズムで鳴き続けたり、理由が思い当たらない場面で吠えたりする場合、それはしつけの問題ではなく加齢による変化かもしれません。

特に、部屋の中を歩き回る(徘徊)、昼夜逆転の生活、名前を呼んでも反応が薄い、トイレの失敗が増えたといった様子が見られる場合は、認知機能の低下が疑われます。

無理に止めさせようとせず、早めに動物病院へ相談しましょう。

家庭でできるケアとしては、日中に適度な刺激を与えて生活リズムを整える、夜間は足元が滑らないよう床材を工夫する、安心できる柔らかな照明をつけるなどが挙げられます。

DHAやEPAなどのサプリメントも選択肢の一つですが、持病や常備薬との飲み合わせもあるため、獣医師と相談しながら取り入れていくのが安心です。

環境省「いつかペットを見送るその日まで」(高齢犬の病気の例:犬の認知症)

自力で難しいときはプロに相談|しつけ教室・出張トレーナーの選び方

ドッグトレーナーのハンドサインに注目する柴犬と飼い主。しつけ教室・出張指導による無駄吠え改善。

「家族全員で協力しているのに改善しない」「吠えるだけでなく噛みつこうとする」「近隣トラブルになりそうで時間がない」といった場合は、プロのトレーナーに相談することで解決の糸口が見つかることがあります。

プロへの依頼にはいくつか種類があります。

愛犬の性格や家庭の状況に合わせて選びましょう。

選択肢特徴・できること向いているケース注意点
自宅でのトレーニング今の環境で実践的な練習ができる軽〜中程度の悩み、家族の協力が得られる家族全員の一貫した態度が必要
環境づくり・知育玩具退屈しのぎやストレス発散運動不足や刺激不足が原因の場合恐怖や不安が原因の場合は効果が薄いことも
しつけ教室・出張トレーナープロが直接指導・計画作成長年の癖、来客や散歩など特定の場面手法(褒める派・叱る派)の相性確認が必須
動物病院への相談体調や痛みの有無を確認急な変化、高齢犬、夜鳴き行動診療を行っているか事前に確認を

※価格やサービス内容は地域や店舗によって異なります。

トレーナー選びで失敗しないためには、以下のポイントを事前に確認することをおすすめします。

  • 指導方針:体罰を使わず、褒めて伸ばすトレーニングを行っているか
  • 形態:通学、出張、預かりなど、自分たちのライフスタイルに合うか
  • 再現性:トレーナーだけができるのではなく、飼い主さんが自宅で実践できる方法を教えてくれるか
  • 安全管理:万が一、噛みつきなどの事故が起きた際の対応経験があるか

地元で信頼できるトレーナーを一から探すのが大変な場合は、複数のプロを比較できるマッチングサービスを活用するのも一つの手です。

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無駄吠えトレーニングに関するよくある質問

飼い主に飛びついて要求する柴犬と無視する飼い主。要求吠えの消去バーストと無視トレーニング。
Q
無視をしたら余計に吠えがひどくなりました。失敗でしょうか?
A

いいえ、それは「消去バースト」と呼ばれる反応で、むしろ犬が変化に気づいている証拠です。「今まではこれで通じたのに、なんで?」と試行錯誤している状態ですので、ここで諦めずに一貫した態度を続けることが大切です。そのうえで、一瞬でも静かになったタイミングを逃さずに褒めるサイクルへ持ち込みましょう。

Q
インターホンに毎回吠えるのですが、何から始めればいいですか?
A

まずは「音」と「来客」を切り離す練習から始めましょう。インターホンの音を録音し、非常に小さな音で流しながらおやつを与えます。それに慣れてきたら、「音が鳴ったらマットへ行く」といった具体的な行動ルールを家族で共有し、反復練習するとスムーズです。

Q
散歩中に吠えるのは、社会化不足だけが原因ですか?
A

社会化不足の影響もありますが、それだけではありません。「遊びたくて興奮している」のか、「怖くて追い払いたい」のかによって対応が異なります。いずれの場合も、まずは刺激となる対象から距離を取り、愛犬が落ち着いていられる距離感を保ちながら練習を重ねるのが安全策です。

Q
留守番中に吠えるのは、運動不足のせいですか?
A

運動不足でエネルギーが余っている場合もありますが、分離不安のように精神的な不安が強いケースでは、運動だけでは解決しません。「飼い主さんがいなくても安心できる」環境づくりや、短い時間の留守番から慣らす練習が必要です。改善が見られない場合は専門家への相談も検討してください。

Q
シニア犬の夜鳴きは、しつけで直りますか?
A

高齢犬の夜鳴きは、認知機能の低下や体の痛みなど、身体的な不調が原因である可能性が高いです。この場合、しつけでコントロールするのは難しく、むしろ犬にストレスを与えてしまいます。まずは動物病院を受診し、医学的なケアや環境の見直しを優先してください。

愛犬に合った無駄吠えトレーニングで、安心できる毎日へ

ソファで読書する飼い主の膝で眠る柴犬。無駄吠えトレーニング後の落ち着いた室内生活。

無駄吠えの改善は、魔法のように一日で直るものではありません。

時には数ヶ月単位の時間がかかることもあり、飼い主さんの根気が必要になります。

しかし、焦らずに「なぜ吠えているのか」という愛犬の気持ちに寄り添い、「吠えなくても大丈夫だよ」という経験を一つずつ積み重ねていけば、必ず変化は訪れます。
※トレーニングの効果や期間には個体差があり、結果を保証するものではありません。

もし、ご家族だけで抱え込んでしまって辛いときは、無理をせずに第三者の力を借りてください。

プロの視点が入ることで、意外な解決策が見つかることもよくあります。

最終的に目指すのは、家の中でも外でも、愛犬と飼い主さんが互いにリラックスして過ごせる関係性です。

プロへの依頼を検討する際は、事前の確認がトラブル防止の鍵となります。

くらしのマーケットを活用すれば、事前に条件をチェックしながら納得のいくトレーナーを探せます。

申し込みの前には、以下のポイントをチェックリストとして活用してください。

  • 体罰や威圧に頼らない手法か(説明に納得感があるか)
  • 出張エリアに含まれているか、交通費の追加はあるか
  • 1回のトレーニング時間や回数の目安、用意するもの(おやつ等)
  • キャンセル規定や、万が一の際の補償・保険の有無
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