オリジン(ORIJEN)のキャットフードは、肉・魚・内臓などの動物性原材料を多く使い、高たんぱくで穀物不使用のレシピを中心に展開しています。その一方で、商品によって鶏、七面鳥、魚、牛、豚、ラムなどの組み合わせやカロリーが異なり、複数の動物性原材料を含む商品も少なくありません。
「肉が多いから、どの猫にも最適」「グレインフリーならアレルギーの猫にも安心」とは限りません。オリジンを選ぶときは、ブランドの考え方だけでなく、個々の栄養設計、全原材料、対象年齢、1日当たりのカロリーを愛猫に合わせて確認しましょう。
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- オリジンの高たんぱく・動物性原材料重視という特徴
- ホールプレイや穀物不使用の正しい捉え方
- 子猫用・全年齢用・体重管理用・ウェットの違い
- 体質・食べ方・費用まで含めた選択の基準
オリジンの設計思想
オリジンは、猫が肉食動物であることを重視し、多種類の動物性原材料を使うブランドです。原材料の割合や「新鮮」「生」といった言葉が目を引きますが、それぞれが何を意味するかを分けて理解しましょう。
動物性原材料を高い比率で配合
オリジンのドライキャットフードは、商品によって動物性原材料を全体の85~90%程度使う設計が案内されています。たとえばキトゥンは、鶏肉、七面鳥、サーモン、ニシン、サバ、卵などの動物性原材料を90%配合するとしています。
オリジナルキャットでは、新鮮鶏肉、生七面鳥肉、生の丸ごとニシン、鶏内臓、ヘイク、卵のほか、乾燥させた鶏肉や七面鳥肉、複数の魚を使用しています。生肉・生魚だけでなく、水分を除いて栄養を凝縮したディハイドレート原料も組み合わせることで、ドライフードとしてのたんぱく質を確保しています。
高たんぱくは、健康な猫の筋肉維持や成長を考えるうえで魅力的な特徴です。ただし、保証成分の数値が高いほど、すべての猫に優れているわけではありません。年齢、活動量、消化の反応、持病を含めて判断します。
肉・内臓・骨を使うホールプレイ
オリジンは、獲物の肉だけでなく、レバーや心臓などの内臓、食べられる骨を自然に近い比率で使う「ホールプレイ」という考え方を掲げています。動物性原材料からたんぱく質、脂肪、ビタミン、ミネラルなどを得ることを重視した設計です。
内臓や骨を含むことを理由に、栄養バランスを個別に推測する必要はありません。完成品の総合栄養食としての適合表示、保証成分、カルシウム・リンなどの分析値、給与量を確認してください。自然に近いという言葉と、個々の猫に医学的に適することは別の話です。
新鮮または生の原材料を使用
公式情報では、オリジナルキャットなどで動物性原材料の3分の2を新鮮または生の状態で使うと案内しています。ここで「生」は、原料を鮮度の高い状態で凍結したものを含む表現です。飼い主が家庭で生肉を与えることと同じではなく、製品は調理・加工されたドライフードです。
原材料の鮮度は品質設計の一部ですが、「生」という語だけで消化性や安全性、完成品の優劣は決まりません。製品の保存状態、賞味期限、開封後の扱いも重要です。
穀物不使用でも豆類は使う
日本向けに流通するオリジンの猫用ドライは、穀物不使用の商品が中心です。小麦、米、とうもろこしなどの代わりに、赤レンズ豆、緑レンズ豆、エンドウ豆、ヒヨコ豆、ピント豆、白インゲン豆、エンドウ豆でんぷんなどを使う商品があります。
そのため、グレインフリーは炭水化物ゼロという意味ではありません。また、穀物不使用なら食物アレルギーを起こさないわけでもありません。豆類を避ける必要がある猫、獣医師の指示で原材料を限定している猫は、全原材料を確認してください。

原材料で注意したい点
動物性原材料が豊富という共通点があっても、その動物種は商品ごとに違います。主役の肉や魚だけでなく、脂肪、卵、内臓、少量の魚油まで見ないと、アレルゲンや好みに合うかは判断できません。
多種類のたんぱく質を含む
オリジナルキャットには、鶏、七面鳥、複数の魚、卵が使われます。ガーディアン8やキトゥンにも鶏・七面鳥・魚・卵などが含まれます。ツンドラキャットは、ラム、鹿、鴨、ホッキョクイワナ、イワシ、豚など、さらに異なる動物種を組み合わせます。
多種類の原材料は、幅広いアミノ酸や風味を取り入れられる一方、食物アレルギーの原因を限定している猫には選びにくい面があります。鶏肉を避けたいのに魚が前面に出た商品を選ぶ、という判断は危険です。魚中心の商品でも、鶏脂や卵などを含む可能性があるため、現物表示を最後まで読みましょう。
食物アレルギーが疑われる猫では、市販フードを次々に変えるより、獣医師の指導で除去食や加水分解食による食事試験を行うほうが原因を確かめやすくなります。
シックスフィッシュは魚を限定
シックスフィッシュキャットは、魚の動物性原材料に重点を置く商品です。公式の地域別情報では、イワシ、ヘイク、サバ、カレイ、メバル、シタビラメなど複数の魚を使い、動物性原材料を魚に限定する設計として案内されています。
鶏や牛などを避けたい猫では比較候補になりますが、「魚1種類だけ」のフードではありません。複数の魚が含まれるため、魚介類への反応が疑われる猫には向きません。日本で販売される現行品の原材料を確認し、製造施設に関する注意表示も含めて判断してください。
豆・野菜・果物・植物も含む
レンズ豆やエンドウ豆などのほか、カボチャ、バターナッツスクワッシュ、ズッキーニ、ニンジン、リンゴ、洋梨、ケール、ホウレン草、クランベリー、ブルーベリーなどを使う商品があります。チコリールートや植物素材も配合されています。
これらは食物繊維や栄養設計に関わりますが、種類の多さだけで健康効果を断定できません。原材料が多いことを好むか、特定食材を避けたいのでより単純なレシピを求めるかは、猫の体質で評価が変わります。
添加栄養素を抑える設計
肉、内臓、骨などから自然に栄養を取り入れ、添加する栄養素を必要な範囲に抑える考え方を掲げています。一方、完成品には塩化コリン、亜鉛、銅、各種ビタミン、タウリンなど、商品ごとに必要な栄養添加物が使用されます。
添加物の数が少ないことだけを品質の絶対的な指標にはできません。猫用総合栄養食として必要な栄養基準を満たし、保管中も品質を維持できることが重要です。酸化防止にはトコフェロール、クエン酸、ローズマリーエキスなどを使う商品があります。
原材料表を見るときは、最初の5品だけでなく、動物種、卵、脂肪・油、豆類まで同じ色で印を付けると、避けたい食材の見落としを減らせます。

現在の商品ライン
日本で流通するオリジンの猫用フードには、ドライの定番商品に加え、ウェットフードも加わっています。販売状況や容量は変わるため、購入時は国内公式ストアと現物パッケージを確認してください。
オリジナルキャット
鶏、七面鳥、ニシン、ヘイク、卵などを組み合わせた、ブランドの基本となる全年齢・全猫種向けドライです。特定の動物種を避ける必要がなく、肉と魚の多様な原材料を取り入れたい猫の比較候補になります。
全年齢対応でも、子猫と成猫、シニア猫では給与量が同じではありません。袋の年齢・体重別給与表を確認し、成長や体型に合わせて量を調整します。
キトゥン
子猫向けに作られたドライフードで、鶏、七面鳥、サーモン、ニシン、サバ、卵などを使用します。DHA・EPAを含む魚や魚油を取り入れ、脳や認知機能の発達に配慮した設計です。
離乳後から成長期の子猫には、成猫の体重管理用ではなく、成長期に対応する総合栄養食を選ぶ必要があります。一度に食べられる量が少ないため、1日量を複数回に分けます。
シックスフィッシュキャット
複数の魚を中心にした全年齢向けドライです。家禽や赤身肉より魚主体を希望する場合の候補ですが、魚の種類は多く、魚介アレルギーの猫向けではありません。
魚由来の脂肪酸が特徴でも、皮膚病や関節疾患を治療するフードではありません。強いかゆみ、脱毛、歩き方の異常などがある場合は、フードの選択だけで対応せず受診してください。
レジオナルレッドキャット
牛、バイソン、ラム、豚、魚など、赤身肉を中心にした全年齢向け商品です。鶏中心のレシピとは異なる風味を求めるときの選択肢になりますが、動物種が多いため、食材を限定したい猫には慎重な確認が必要です。
赤身肉という印象だけで脂質やカロリーを推測せず、保証成分と代謝エネルギーを見ます。現在のフードより高カロリーなら、同じカップ量を与えると過剰になる可能性があります。
ツンドラキャット
ラム、鹿、鴨、魚、豚などの多様な動物性原材料を使う全年齢向けドライです。一般的な鶏中心の味を好まない猫には候補になり得ますが、新奇なたんぱく質を1種類だけ使う療法的なフードではありません。
多数の動物種を含むため、除去食試験には向きません。商品名に珍しい肉があっても、ほかの肉や魚を含むことを理解して選びます。
ガーディアン8
免疫、消化、皮膚・被毛、筋肉、心臓、関節、脳・認知機能、目という8つの健康領域を支える設計として案内される全年齢向けドライです。鶏、サーモン、七面鳥、ニシンなどを組み合わせ、動物性原材料を90%使用するとしています。
8つの機能は健康維持への配慮であり、心臓病、関節疾患、認知機能障害などを治療する意味ではありません。診断済みの猫は、一般向けの機能表示より獣医師の食事指導を優先してください。
フィット&トリムキャット
体重管理を意識した全年齢向けドライで、鶏、七面鳥、魚、卵などを使用し、脂肪を抑えつつたんぱく質と食物繊維に配慮した設計です。避妊・去勢後や活動量の少ない猫で比較候補になります。
ただし、商品を替えるだけで体重が減るわけではありません。維持用と減量用の給与欄を確認し、キッチンスケールで量ります。急激な食事制限は猫の健康を損なうおそれがあるため、肥満がある場合は獣医師と目標を決めます。
ウェットフード
日本では2026年にオリジンの猫用ウェットフードが新たに案内され、チキン&ツナ、サーモン&チキン、レジオナルレッドなどのチャンクやシュレッドをボーンブロスと組み合わせた商品があります。ドライとは異なる食感で、食事から水分をとりやすい点が特徴です。
ウェットは商品によって子猫用・成猫用など対象が異なります。総合栄養食か、補助食・トッパーかを個別に確認し、主食にするなら対象年齢に合う総合栄養食を選びます。ドライと併用する場合は、双方を規定量ずつ与えず、合計カロリーを1日分に収めてください。

栄養設計をどう見るか
オリジンは高たんぱくでエネルギー密度が高めの商品が多いため、成分の高さを魅力として見るだけでなく、愛猫が実際に食べる量と消化の反応を確認します。
たんぱく質は高低だけで決めない
健康な成猫や成長期の子猫にとって、十分なたんぱく質は重要です。オリジンは動物性原材料を多く使い、複数の必須アミノ酸源を取り入れています。一方、突然高たんぱくな食事へ替えると、便や食欲が変わる猫もいます。
慢性腎臓病などを診断されている猫では、たんぱく質だけでなくリン、ナトリウム、カロリー、病期を含めた栄養管理が必要です。高たんぱくだから避ける、あるいは肉が多いから与えるといった自己判断はせず、詳細な分析値を獣医師に示して相談します。
カロリーと1日量を確認
高カロリーなフードは、食が細い猫が少量でエネルギーをとるのに役立つ場合があります。反対に、活動量が少ない室内猫や太りやすい猫では、目分量で与えると過剰になりやすいでしょう。
現在のフードから切り替えるときは、同じ「50g」や同じ計量カップ1杯で比較せず、100g当たりの代謝エネルギーを確認します。おやつやウェットも含め、1日の総カロリーで調整してください。
ミネラルの詳細も見る
肉・内臓・骨を取り入れる設計では、カルシウムやリンなどのミネラルも完成品として管理されます。健康な猫には総合栄養食としてのバランスを確認しますが、腎臓病や尿路疾患がある猫では、個別の数値が重要になることがあります。
公式ページやパッケージに必要な標準分析値がない場合は、メーカーまたは正規輸入元へ問い合わせます。%、乾物換算、100kcal当たりmgのどの単位かもそろえてください。

愛猫に合うかの判断基準
オリジンが合う猫は、単に肉好きな猫というだけではありません。食材を問題なく食べられ、適量で体型を維持でき、家庭で鮮度と費用を管理できることが条件になります。
検討しやすい猫
次のような健康な猫では比較候補にしやすいでしょう。
- 動物性原材料を多く使う総合栄養食を探している
- 鶏・七面鳥・魚・卵など複数食材を問題なく食べられる
- 高いエネルギー密度でも給与量を正確に管理できる
- 穀物を使わないレシピを希望している
- 便や体重を記録しながらゆっくり切り替えられる
味の好みは個体差が大きいため、可能なら340gなど小容量から試します。食いつきがよいことと、長期的に体に合うことは分けて評価してください。
慎重に選びたい猫
食物アレルギーで動物種を限定している猫には、多種類の肉・魚・卵を含む商品が合わないことがあります。豆類を避ける必要がある猫にも、穀物不使用という言葉だけでは選べません。
肥満傾向で食欲が強い猫には、カロリーと給与量の管理が不可欠です。消化器が敏感な猫は、原材料数が多く高たんぱくなフードへの急な変更を避けます。腎臓病、尿路疾患、糖尿病、膵炎などを診断された猫は、療法食との適合を獣医師に確認してください。
継続費用と入手性
オリジンは容量によって1g当たりの価格が異なります。大袋は割安になりやすい一方、1匹飼いでは開封後に長期間かかり、酸化や香りの低下につながることがあります。
袋の価格ではなく、愛猫の1日給与量から1日当たりの費用を計算します。正規流通品か、原材料と日本語表示を確認できるか、継続して同じ商品を購入できるかも見てください。海外向け商品は名称が同じでも仕様が異なる可能性があります。
愛猫に合ったキャットフードを選びましょう
猫の食事は、年齢や活動量、好みなどによって選び方が変わります。栄養バランスや食べやすさ、継続しやすい価格などを確認しながら、その猫に合うフードを検討しましょう。
切り替え方と保存
動物性原材料が多く、現在の食事と栄養密度が大きく違う場合ほど、ゆっくり切り替えることが大切です。体調と便を観察し、開封後の品質も守ります。
10~14日ほどかける
最初は現在のフード75%にオリジン25%を混ぜ、問題がなければ数日ごとに新しいフードの割合を増やします。公式の移行案内でも、10~14日ほどかけた段階的な切り替えが示されています。食事変更に敏感な猫では、さらに時間をかけて構いません。
切り替え中は、新しいおやつやサプリメントを同時に始めないほうが変化の原因を追いやすくなります。軟便、便秘、嘔吐、かゆみ、食欲低下が続く場合は中止し、動物病院へ相談してください。
グラム単位で量る
高エネルギーのドライは、少量の差でもカロリーに影響します。付属カップや家庭の計量カップでは粒の詰まり方で誤差が出るため、キッチンスケールで1日分を量ると管理しやすくなります。
家族が別々に与える場合は、朝に1日分を容器へ取り分けます。体重と体型を2~4週間ごとに確認し、給与表を出発点として調整してください。
元袋のまま密閉する
開封後は袋の空気を抜いてしっかり閉じ、直射日光と高温多湿を避けます。密閉容器を使うなら元袋ごと入れると、賞味期限、ロット番号、原材料表示を残せます。容器に継ぎ足さず、袋を替えるたびに洗って完全に乾かしましょう。
魚油や動物性脂肪を含むフードは酸化に注意が必要です。においの変化、粒のべたつき、カビ、虫、袋の破損などがあれば与えません。食べ切るまでの期間を考え、価格だけで大容量を選ばないことが大切です。

オリジンのよくある質問
- オリジンはすべてグレインフリーですか?
-
日本で流通する猫用ドライは穀物不使用の商品が中心ですが、購入時に個別表示を確認してください。穀物を使わなくても、レンズ豆、エンドウ豆、ヒヨコ豆などを含むため、炭水化物ゼロではありません。
- 高たんぱくなら健康な猫に必ず合いますか?
-
いいえ。健康な猫には有力な選択肢ですが、消化の反応、カロリー、食物アレルギー、年齢、持病で適性は変わります。高い数値だけで決めず、総合栄養食としての設計と実際の体重・便を見ます。
- 鶏肉を避けたい猫にはシックスフィッシュを選べますか?
-
魚原料に限定した商品として候補になりますが、複数の魚を使い、製造施設に関する注意もあり得ます。厳格な除去食が必要な猫では、現物の全原材料と交差接触に関する表示を確認し、獣医師へ相談してください。
- フィット&トリムだけで減量できますか?
-
商品を替えるだけでは減量できません。目標体重に合わせた摂取カロリー、グラム単位の計量、おやつの管理、無理のない運動が必要です。急な制限は避け、肥満がある猫は動物病院で計画を立てましょう。
- ドライとウェットを一緒に与えられますか?
-
どちらも対象年齢に合う総合栄養食なら併用できます。ただし、両方を表示どおりの満量ずつ与えず、合計カロリーを1日分に収めます。ウェットの栄養区分と開封後の保存方法も確認してください。
まとめ
オリジンのキャットフードは、動物性原材料を高い比率で使い、肉・魚・内臓・骨を取り入れるホールプレイと、穀物不使用のドライレシピを中心とするブランドです。オリジナルキャット、キトゥン、シックスフィッシュ、レジオナルレッド、ツンドラ、ガーディアン8、フィット&トリムに加え、ウェットフードも展開されています。
選ぶときは、動物性原材料の割合や「新鮮・生」という言葉だけでなく、使われる動物種、豆類、保証成分、カロリー、対象年齢、給与量を商品ごとに確認してください。多種類の肉・魚・卵を含む商品が多いため、食材を限定している猫には慎重な判断が必要です。
まず小容量から試し、10~14日ほどかけて切り替えます。グラム単位で給与量を管理し、体重、体型、便、嘔吐、皮膚の状態を観察しましょう。持病がある猫では、ブランドの高たんぱくという特徴より、検査結果に合う栄養条件を獣医師と決めることを優先してください。

