アフガンハウンドとボルゾイの違いを比較!性格や飼育の難易度まで

アフガンハウンドとボルゾイの違いを比較!性格や飼育の難易度まで
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優雅で美しい姿が印象的なアフガンハウンドとボルゾイ。

その気品あふれる容姿に、思わず目を奪われた経験がある方も多いのではないでしょうか。

しかし、実際に家族として迎えることを考えたとき、アフガンハウンドとボルゾイの違いは何なのか、具体的な疑問が次々と浮かんでくるものです。

例えば、アフガンハウンドの性格について、一部でささやかれる「アフガンハウンドは頭が悪い」という噂は本当なのでしょうか。

また、アフガンハウンドは金持ちでないと飼えないというイメージもありますが、実際のところはどうなのでしょう。

ボルゾイに似てる犬としてよく名前が挙がるサルーキとの関係性や、アフガンハウンド、ボルゾイ、サルーキのそれぞれの特徴、そしてボルゾイとサルーキの違いも気になるところです。

さらに、ボルゾイについては、その歴史的背景から「ボルゾイはかわいそう」と言われることがあったり、ボルゾイはなぜ短命だといわれるのか、といった健康面での心配も尽きません。

これからアフガンハウンドの子犬を迎えたい方、ボルゾイの値段が気になる方、そして希少性についてアフガンハウンドは日本に何匹いるのか知りたい方など、様々な疑問があるかと思います。

この記事では、こうした多岐にわたる疑問に一つひとつ丁寧にお答えしていきます。

外見的な特徴から性格、歴史、飼育のポイント、そして健康面まで、両犬種の魅力を深く掘り下げながら、その違いを分かりやすく解説します。

この記事を読むと分かること
  • アフガンハウンドとボルゾイの容姿や性格の明確な違い
  • 飼育に必要な費用やしつけ、健康面での注意点
  • サルーキなど似ている犬種との関係性と見分け方
  • 両犬種を迎える前に知っておくべき歴史的背景

アフガンハウンドとボルゾイの違いを容姿や性格から解説

アフガンハウンドとボルゾイの違いを容姿や性格から解説
  • アフガンハウンドの性格はクールで独立的
  • 「アフガンハウンドは頭が悪い」という噂の真相
  • アフガンハウンドやボルゾイとサルーキの関係性
  • ボルゾイに似てる犬とサルーキとの違い
  • アフガンハウンドの子犬を迎える際の注意点

アフガンハウンドの性格はクールで独立的

アフガンハウンドの性格はクールで独立的

アフガンハウンドの性格をひと言で表すなら、「クールで独立的」と言えます。

人にべったりと甘えるタイプではなく、どこか気品を漂わせ、自立した精神を持っているのが大きな特徴です。

なぜなら、アフガンハウンドは古くからサイトハウンド(視覚獣猟犬)として、飼い主から離れた場所で自らの判断で獲物を追う狩りをしてきた歴史があるからです。

主人の指示を待つのではなく、状況を自分で考え行動することが求められたため、高い独立心が育まれたと考えられています。

例えば、家の中では非常に穏やかで物静かに過ごすことが多い一方で、知らない人や犬に対してはあまり興味を示さず、そっけない態度をとることがあります。

気分が乗らなければ、飼い主の命令を意図的に無視するようなマイペースな一面も見られます。

しかし、これは決して愛情がないわけではありません。

心を許した家族に対しては、静かに寄り添い、深い信頼と愛情を示してくれます。

このような、媚びないクールさと内に秘めた愛情深さの二面性が、アフガンハウンドの大きな魅力なのです。

「アフガンハウンドは頭が悪い」という噂の真相

「アフガンハウンドは頭が悪い」という噂の真相

「アフガンハウンドは頭が悪い」という言葉を耳にしたことがあるかもしれませんが、これは大きな誤解です。

この噂は、過去に行われたある研究の結果が一人歩きしてしまったものと考えられます。

その研究とは、様々な犬種を対象に「人間の命令にどれだけ従順か」という訓練性能をランク付けしたものでした。

独立心が強くマイペースなアフガンハウンドは、人間の指示にすぐさま反応するタイプの犬ではないため、このランキングで最下位に近い評価を受けてしまったのです。

しかし、これはあくまで「従順性」の指標であり、犬の「知性」そのものを測るものではありません。

むしろ、アフガンハウンドは非常に賢い犬種です。

前述の通り、彼らは主人の指示がなくても、自ら獲物を見つけ、地形を判断し、追い詰めるという高度な狩りを行ってきました。

これには、優れた状況判断能力と問題解決能力が不可欠です。

言わば、「指示待ちの賢さ」ではなく「自己解決型の賢さ」を持っているのです。

そのため、「頭が悪い」という評価は全く当てはまらないと言えるでしょう。

アフガンハウンドやボルゾイとサルーキの関係性

アフガンハウンドやボルゾイとサルーキの関係性

アフガンハウンド、ボルゾイ、そしてサルーキは、いずれも「サイトハウンド」という視覚に優れた猟犬のグループに属しており、互いに血縁的に近い関係にあると考えられています。

流線形の体や細長い頭部など、速く走るための身体的特徴を共有しているのは、そのためです。

これらの犬種のルーツをたどると、共通の祖先にたどり着くという説が有力です。

特に、サルーキは紀元前の古代エジプトの壁画にも姿が描かれているほど歴史が古く、現存する最古の犬種のひとつとされています。

一説には、このサルーキの祖先犬がアフガニスタンに渡ってアフガンハウンドの基礎となり、また、中央アジアからロシアへ広がった犬がボルゾイの起源になったとも言われています。

近年の遺伝子解析の研究でも、この3犬種が遺伝的に非常に近いグループに分類されることが示唆されています。

つまり、もともとは同じようなルーツを持つ犬たちが、アフガニスタンの山岳地帯、ロシアの草原、中東の砂漠といったそれぞれの土地の気候や狩りの獲物に適応しながら、長い年月をかけて独自の特徴を持つ現在の姿へと進化していったのです。

ボルゾイに似てる犬とサルーキとの違い

ボルゾイに似てる犬とサルーキとの違い

ボルゾイに似てる犬として最もよく挙げられるのがサルーキですが、両者にはいくつかの明確な違いが存在します。

どちらも優雅で美しいサイトハウンドですが、それぞれの特徴を理解することで、より深く魅力を知ることができます。

主な違いは「サイズ」「被毛」「性格」の3点です。

比較項目ボルゾイサルーキ
分類超大型犬大型犬
体高75cm~85cm58cm~71cm
体重34kg~48kg18kg~27kg
被毛ダブルコート(中長毛)シングルコート(短毛)
性格穏やか、人懐っこい面も独立心旺盛、プライドが高い

まずサイズですが、ボルゾイは体高が85cmに達することもある超大型犬で、サルーキよりも一回り大きくがっしりとしています。

次に被毛の違いです。

ボルゾイは寒さから身を守るためのダブルコートで、絹のように滑らかな中長毛に覆われています。

一方、サルーキは短く滑らかなシングルコートが特徴で、手入れは比較的容易ですが、耳や尻尾には美しい飾り毛があります。

そして、性格も異なります。

ボルゾイはサイトハウンドの中では珍しく人懐っこい一面を持ち、家族に対しては穏やかに接します。

対してサルーキは、よりプライドが高く独立心が旺盛で、飼い主に媚びることはあまりありません。

自分のペースを大切にする気高さがサルーキの魅力と言えるでしょう。

アフガンハウンドの子犬を迎える際の注意点

アフガンハウンドの子犬を迎える際の注意点

アフガンハウンドの子犬を家族に迎える前には、その特性を十分に理解し、相応の覚悟と準備をしておくことが大切です。

その優雅な見た目だけで判断すると、後で「こんなはずではなかった」と感じてしまう可能性があります。

最も注意すべき点は、しつけの難しさです。

前述の通り、アフガンハウンドは非常に独立心が強く、マイペースな性格をしています。

そのため、一般的な犬種のように褒めてしつけをしても、気分が乗らなければ反応しないことがあります。

根気と時間、そして一貫した態度でトレーニングを続ける必要があります。

特に、動くものを追いかけるサイトハウンドの本能は強く残っているため、万が一の事故を防ぐ「呼び戻し」の訓練は、子犬の頃から徹底して行わなければなりません。

また、その美しい被毛を維持するためのケアも欠かせません。

絹糸のような細く長い毛は絡まりやすく、毎日のブラッシングが必須です。

これを怠ると毛玉ができ、皮膚炎の原因にもなりかねません。

運動量も非常に多く、毎日の長時間の散歩に加え、ドッグランなどで思い切り走らせる時間を作ることも求められます。

これらのケアに時間と労力をかけられるか、迎える前に家族全員でよく話し合うことが不可欠です。

飼育面で見るアフガンハウンドとボルゾイの違い

飼育面で見るアフガンハウンドとボルゾイの違い
  • ボルゾイの値段はどのくらい?
  • アフガンハウンドは金持ちじゃないと飼えない?
  • ボルゾイがかわいそうと言われる歴史的背景
  • ボルゾイはなぜ短命といわれるの?
  • アフガンハウンドは日本に何匹いる?
  • 結局アフガンハウンドとボルゾイの違いとは

ボルゾイの値段はどのくらい?

ボルゾイの値段はどのくらい?

ボルゾイを家族として迎える際、気になるのがその値段です。

ボルゾイの子犬の価格は、血統やブリーダー、毛色などによって大きく変動しますが、一般的には30万円から60万円、あるいはそれ以上になることも珍しくありません。

このように価格が高めになる理由はいくつかあります。

まず、日本国内におけるボルゾイのブリーダーの数が限られており、希少価値が高いことが挙げられます。

また、ボルゾイは超大型犬であるため、母犬の管理から出産、子犬の育成に至るまで、他の犬種に比べて多くのコストと手間がかかることも価格に反映されます。

ボルゾイがペットショップの店頭に並ぶことは非常に稀です。

そのため、迎えることを決めた場合は、信頼できる専門ブリーダーを探すことから始めるのが一般的になります。

子犬の価格だけでなく、迎えた後の食費や医療費、しつけの費用など、生涯にわたってかかるコストも考慮し、経済的な計画をしっかりと立てておくことが大切です。

アフガンハウンドは金持ちじゃないと飼えない?

アフガンハウンドは金持ちじゃないと飼えない?

「アフガンハウンドは金持ちの犬」というイメージを持たれがちですが、必ずしも大富豪でなければ飼えないというわけではありません。

ただし、他の犬種と比較して飼育にお金と時間がかかることは事実であり、経済的、時間的な余裕がなければ飼育は難しいと言えるでしょう。

費用面で特に考慮すべきは、被毛のケアにかかるコストです。

あの長く美しい被毛を健康に保つためには、プロのトリマーによる定期的なシャンプーやカットが推奨されます。

大型犬で長毛のアフガンハウンドの場合、トリミングサロンでの料金は1回あたり1万5千円から3万円以上かかることもあります。

これを月に1~2回行うと考えると、年間での出費はかなりの額になります。

もちろん、日々の食事代や、万が一の病気や怪我に備える医療費も大型犬サイズで考えておく必要があります。

また、時間的なコストも無視できません。

美しい被毛は非常に絡まりやすいため、毎日のブラッシングが欠かせません。

これには、少なくとも1時間程度の時間を確保する必要があります。

加えて、豊富な運動量を満たすための散歩や自由運動の時間も必要です。

これらのケアを楽しみながら続けられるだけの、時間と愛情の余裕があるかどうかが、飼い主としての適性を考える上で重要なポイントとなります。

ボルゾイがかわいそうと言われる歴史的背景

ボルゾイがかわいそうと言われる歴史的背景

ボルゾイに対して「かわいそう」というイメージが持たれることがありますが、これには100年以上前のロシアで起こった悲しい歴史が深く関係しています。

もともとボルゾイは、ロシア帝国の皇帝や貴族たちに愛され、オオカミ狩りのパートナーとして大切に飼育されていました。

その優雅で威厳ある姿は、まさに帝政ロシアの華やかさと権力の象徴そのものでした。

しかし、1917年にロシア革命が勃発すると、その状況は一変します。

革命によって皇帝や貴族が打倒されると、彼らの象徴であったボルゾイもまた「貴族階級の犬」として敵視され、その多くが革命軍によって虐殺されてしまいました。

この悲劇により、ロシア国内のボルゾイは絶滅の危機に瀕したのです。

幸いなことに、革命が起こる前にヨーロッパの王室やアメリカの富豪へ寄贈されていた少数のボルゾイたちが生き延びていました。

現在の世界中のボルゾイは、この生き残った犬たちの子孫です。

栄華を極めた存在から一転して悲劇に見舞われた歴史が、ボルゾイの持つどこか儚げで高貴な雰囲気を形作り、「かわいそう」という言葉と共に語られる一因となっているのです。

ボルゾイはなぜ短命といわれるの?

ボルゾイはなぜ短命といわれるの?

ボルゾイの寿命について「短命」という話を聞くことがありますが、これは必ずしも正確な表現ではありません。

ボルゾイの平均寿命は10歳から12歳前後とされ、これは他の大型犬と比較して極端に短いわけではないのです。

では、なぜ短命というイメージがあるのでしょうか。

その理由として、ボルゾイが大型犬特有の、命に関わる深刻な病気にかかりやすいことが挙げられます。

特に注意が必要なのが「胃拡張・胃捻転症候群」です。

これは胸が深い体型の犬種に多く見られる病気で、胃がガスで膨れ上がり、ねじれてしまうことで血流が止まり、短時間で死に至ることもある非常に恐ろしい疾患です。

食後の急な運動などを避けるといった予防策が重要になります。

また、「ボルゾイ網膜症」と呼ばれる遺伝性の目の病気や、骨の癌である「骨肉腫」なども、他の犬種に比べて発症リスクが高いとされています。

これらの病気のリスクが、「ボルゾイは短命」というイメージにつながっていると考えられます。

しかし、これは裏を返せば、日頃の健康管理や定期的な健康診断がいかに大切かを示しているとも言えます。

適切な飼育環境と医療ケアによって、寿命を全うさせてあげることは十分に可能です。

アフガンハウンドは日本に何匹いる?

アフガンハウンドは日本に何匹いる?

アフガンハウンドが日本に何匹いるのか、正確な頭数を把握することは困難ですが、国内では非常に希少な犬種であることは間違いありません。

その希少性の理由は、主に飼育の難易度の高さにあります。

これまで述べてきたように、アフガンハウンドは独立心が強く専門的なしつけが必要なこと、長く美しい被毛を維持するために時間と費用をかけた手入れが不可欠なこと、そして十分な運動量を確保できる環境が求められることなど、誰でも気軽に飼える犬種ではありません。

こうした背景から、日本国内でアフガンハウンドを専門に繁殖しているブリーダーの数も非常に限られています。

そのため、ペットショップの店頭でその姿を見る機会はほとんどないでしょう。

ジャパンケネルクラブ(JKC)が発表する犬種別犬籍登録頭数を見ても、年間の登録数は他の人気犬種に比べてごくわずかです。

街中で散歩している姿を見かけたら、それはとても幸運なことだと言えるくらい、出会うのが難しい犬種なのです。

結局アフガンハウンドとボルゾイの違いとは

結局アフガンハウンドとボルゾイの違いとは

この記事では、アフガンハウンドとボルゾイの多岐にわたる違いについて解説してきました。

最後に、両犬種の重要な違いや特徴をまとめます。

  • 原産国はアフガニスタン(アフガンハウンド)とロシア(ボルゾイ)
  • ボルゾイはアフガンハウンドより一回り大きい超大型犬
  • アフガンハウンドの被毛は長く、ボルゾイは中長毛
  • どちらもサイトハウンドで優れた視力と俊足を持つ
  • アフガンハウンドの性格は独立心が強くマイペースで猫のよう
  • ボルゾイの性格は穏やかでサイトハウンドには珍しく人懐っこい面もある
  • 「アフガンハウンドは頭が悪い」は誤解で、自己判断能力が高い
  • しつけは両犬種とも根気が必要だが、特にアフガンハウンドは難易度が高い
  • サルーキは両犬種の近縁で、さらに歴史が古い犬種とされる
  • 飼育には毎日の運動と被毛ケアに多くの時間と費用がかかる
  • 特にアフガンハウンドのトリミング代は高額になる傾向
  • 「ボルゾイがかわいそう」と言われるのはロシア革命での虐殺の歴史から
  • ボルゾイは大型犬特有の胃捻転や遺伝性疾患に注意が必要
  • 両犬種とも日本国内では希少で、専門ブリーダーから迎えるのが一般的
  • 迎える前には特性を深く理解し、生涯お世話する覚悟が求められる
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