新幹線に10キロ以上の犬は乗れる?公式ルールと対処法

新幹線に10キロ以上の犬は乗れる?公式ルールと対処法
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旅行や帰省、引越しなどで、愛犬と一緒に新幹線での移動を考える飼い主さんは少なくありません。

特に気になるのが、新幹線に犬が10キロ以上ある場合にどうなるかという点ではないでしょうか。

愛犬が11キロや12キロといった中型犬の場合、そもそも犬の持ち込みは許可されるのか、ペットのサイズオーバーで犬が断られたらどうしよう、と不安になるかもしれません。

また、新幹線でペットは何キロまでという具体的な規定や、電車に10キロの犬は乗せられるのか、あるいは新幹線に大型犬は乗せられるのか、といった疑問も浮かびます。

もし乗車中に犬がうるさいと周囲に迷惑をかけてしまう心配や、ペット専用車両や犬個室のような設備があれば、という期待もあるでしょう。

さらに、どのようなキャリーがおすすめなのか、電車に10キロの犬を乗せて乗車できるかどうかも含めて、ルールは複雑に感じられます。

この記事では、そのようなお悩みを持つ方々のために、JR各社の公式ルールに基づき、犬との新幹線利用に関する規定や対処法を詳しく解説します。

この記事を読むと分かること
  • JR各社の公式な乗車規定と重量制限
  • 10kgを超える犬が原則として乗車できない理由
  • 重量オーバーの場合の代替移動手段や選択肢
  • 安心して乗車するための準備と周囲への配慮点

新幹線に犬が10キロ以上で乗車する際の公式規定

新幹線に犬が10キロ以上で乗車する際の公式規定
  • 新幹線でペットは何キロまでがルールか
  • 電車に10キロの犬を乗せて乗車できる?
  • 厳格な犬の持ち込みとサイズオーバーの基準
  • 愛犬が11キロや12キロの場合の乗車可否
  • 規定外で犬が断られたという事例
  • 中型犬や新幹線に大型犬は乗せられるのか

新幹線でペットは何キロまでがルールか

新幹線でペットは何キロまでがルールか

新幹線に愛犬を同伴させる場合、ペットは「手回り品」という扱いになり、乗車には一定のルールが定められています。

JR各社で共通している最も基本的な規定は、重量とケースのサイズです。

まず重量については、愛犬と専用ケースを合わせた重さが10kg以内である必要があります。

これは、多くの小型犬が対象となる基準です。

次に、ケースのサイズですが、タテ・ヨコ・高さの3辺の合計が120cm以内と決められています。

このサイズは、座席の足元や荷物スペースに無理なく収まることを想定した大きさと考えられます。

これらの規定を満たした上で、手回り品料金として1個あたり290円(2025年5月現在、JR東海の場合)を支払うことで、愛犬と一緒に新幹線に乗車できます。

この料金は、乗車する駅の改札窓口などで、係員に荷物を見せた上で「普通手回り品きっぷ」を購入する形になります。

要するに、新幹線にペットを乗せるための最低条件は、「ケースと合わせた総重量が10kg以内」かつ「ケースの3辺合計が120cm以内」という2点をクリアすることなのです。

電車に10キロの犬を乗せて乗車できる?

電車に10キロの犬を乗せて乗車できる?

新幹線だけでなく、在来線、つまり一般的な電車に愛犬を乗せる際のルールも気になるところです。

特に「電車に10キロの犬を乗せて乗車できるか」という点は、多くの飼い主さんが抱く疑問かと思われます。

実は、在来線におけるペット同伴のルールも、新幹線の規定とほぼ同じ基準を設けている鉄道会社がほとんどです。

具体的には、新幹線と同様に専用ケースに入れること、そしてケースと動物を合わせた重量が10kg以内であることが求められます。

このため、愛犬とケースの合計重量がちょうど10kgであれば、ルール上は電車にも乗車可能ということになります。

ただし、新幹線への乗り換えを考慮すると、駅構内の移動も伴うため、持ち運びやすいケースを選ぶなどの配慮があるとよりスムーズです。

一方で、鉄道会社によっては細かな規則が異なる場合も考えられます。

例えば、一部の私鉄では料金が不要なケースもありますが、持ち込みに関する基本的な考え方は共通しています。

したがって、新幹線でも在来線でも、ペットとの乗車を考える際は「10kg」という重量が一つの大きな目安になることを覚えておくと良いでしょう。

厳格な犬の持ち込みとサイズオーバーの基準

厳格な犬の持ち込みとサイズオーバーの基準

新幹線への犬の持ち込みルールは、重量やサイズだけでなく、使用するケースの種類にも及ぶため、注意が必要です。

ペットのサイズオーバーだけでなく、ケースの形状が原因で乗車を断られる事態は避けたいものです。

JR各社が定めるルールでは、ペットを入れるケースは、形態が固定されている動物専用のものに限られます。

具体的には、プラスチック製などのハードクレートや、形状がしっかりしたショルダーバッグ、リュックタイプのキャリーがこれに該当します。

逆に、布製で形態が固定しないドッグスリングのようなものは、たとえ愛犬の全身が収まっていたとしても使用が認められていません。

これは、万が一の際にペットの安全を確保し、他の乗客への影響を最小限に抑えるための措置と考えられます。

また、近年利用者が増えているペットカート(ペットバギー)の持ち込みにも詳細な規定があります。

カートのまま車内に持ち込めるのは、車輪や取っ手を含めた全体の大きさが前述の「3辺合計120cm以内」の制限に収まる場合のみです。

しかし、一般的なペットカートはこのサイズを超えるため、そのままの持ち込みは実質的に不可能です。

ただし、ケース(コット)部分とカート部分を分離できるタイプであれば、話は別です。

ケース部分が「重量10kg以内・サイズ120cm以内」の規定を満たし、残りのカート部分が無料手回り品(3辺合計250cm以内、重さ30kg以内)の範囲に収まれば、両方を持ち込むことができます。

愛犬が11キロや12キロの場合の乗車可否

愛犬が11キロや12キロの場合の乗車可否

飼い主さんにとって最も切実な問題が、愛犬の体重が規定の10kgをわずかに超えているケースです。

例えば、愛犬が11キロや12キロある場合、新幹線に乗車できる可能性はあるのでしょうか。

JRの公式ルールに照らし合わせると、答えは明確に「不可」となります。

規定では「ケースと動物を合わせた重さが10キロ以内のもの」と明記されており、1gでも超過すればルール違反と見なされるのが原則です。

駅の係員が改札で一つひとつの手回り品の重量を厳密に測定するわけではありません。

このため、わずかな重量オーバーであれば黙認されるのではないかと考える方もいるかもしれません。

しかし、ルールはルールであり、他の乗客との公平性や安全性の観点から、遵守することが求められます。

万が一、車内や駅で係員から重量の確認を求められた場合、規定を超えていれば乗車を断られたり、最悪の場合は途中駅で下車を求められたりする可能性もゼロではありません。

そのようなリスクを冒してまで乗車するのは、飼い主にとっても愛犬にとっても大きなストレスとなります。

したがって、愛犬の体重が10kgを超えている場合は、ルール上、新幹線での同伴はできないと理解し、他の移動手段を検討するのが賢明な判断と言えます。

規定外で犬が断られたという事例

規定外で犬が断られたという事例

「ルールは知っているけれど、実際にはどうなのだろう」と考える方もいるでしょう。

規定外のペットを連れて行こうとした結果、犬が断られたという話は、残念ながら実際に起こり得ます。

手回り品の確認は、主に改札口で「普通手回り品きっぷ」を購入する際に行われます。

このとき、係員がケースの大きさや愛犬の様子を見て、明らかに規定を超えていると判断した場合は、乗車を断ることがあります。

例えば、ケースに対して犬が明らかに大きく窮屈そうにしている、あるいは飼い主が重そうに運んでいる様子から、重量オーバーを指摘されるケースが考えられます。

また、前述の通り、ドッグスリングや形状が不安定なバッグを使用している場合も、規定違反として認められない可能性があります。

駅員の対応は個々の状況や判断に左右される側面もありますが、「他の乗客に危害を及ぼすおそれがある」または「迷惑をかけるおそれがある」と判断されれば、規定内であっても乗車を断られる場合があり得ます。

これらのことから、ルールを守ることはもちろん、他の乗客から見ても不安感を与えないような配慮をすることが、トラブルを避ける上で大切になります。

規定を守ることは、自分たちだけでなく、将来にわたって他のペット同伴者が気持ちよく公共交通機関を利用できるようにするためのマナーでもあるのです。

中型犬や新幹線に大型犬は乗せられるのか

中型犬や新幹線に大型犬は乗せられるのか

これまでのルールを踏まえると、多くの中型犬や、すべての大型犬は新幹線に乗せられるのか、という疑問に対する答えは、自ずと明らかになります。

結論から言うと、体重が10kgを超えることが一般的な中型犬や大型犬は、原則として新幹線に乗車することはできません。

これは、JRが定める「ケースと動物を合わせて10kg以内」という重量制限をクリアすることが物理的に不可能であるためです。

例えば、柴犬やコーギー、フレンチブルドッグなどの中型犬種は、成犬になると10kgを超える個体がほとんどです。

大型犬に至っては言うまでもありません。

この規定は、あくまでペットを「手回り品」として扱うための基準です。

座席の足元や荷物棚に安全に置くことができ、他の乗客の快適性や安全を損なわない範囲が、10kgという重量に設定されていると考えられます。

したがって、愛犬が中型犬や大型犬である場合、残念ながら新幹線での一緒に移動するという選択肢は、現行のルールでは利用できないと認識しておく必要があります。

引越しや長距離の移動を計画する際には、自家用車やペットタクシー、フェリー、一部の航空会社のサービスなど、他の交通手段を検討することが求められます。

新幹線で犬が10キロ以上で乗れない場合の代替策

新幹線で犬が10キロ以上で乗れない場合の代替策
  • 貸切のペット専用車両や犬個室の利用
  • 乗車時に犬がうるさい場合の周囲への配慮
  • 規定内で使えるおすすめのキャリーは?
  • 新幹線で犬が10キロ以上の移動を考える総括

貸切のペット専用車両や犬個室の利用

貸切のペット専用車両や犬個室の利用

10kgの壁を越えられない中型犬や大型犬の飼い主さん、あるいはもっと快適に愛犬と旅をしたいと願う方にとって、ペット専用車両や犬個室の存在は非常に魅力的です。

現状、そのような選択肢は存在するのでしょうか。

まず、常設の「ペット専用車両」というのは、残念ながら日本の新幹線にはまだ導入されていません。

しかし、過去にはJR東海が「ワンワンエクスプレス」と銘打ち、車両を1両貸し切りにして、ケージレスで犬と一緒に乗車できる実証実験を行ったことがあります。

これは非常に画期的な試みでしたが、あくまで限定的なイベントであり、定期的なサービス化には至っていません。

一方で、「個室」という選択肢は限定的ながら存在します。

山陽新幹線(新大阪~博多)を走る「ひかりレールスター」には、4人用のコンパートメント(個室)が設置されています。

JR西日本に確認された情報によれば、この個室は手回り品の規定(10kg以内、サイズ120cm以内)を満たしていれば、ペット同伴での利用が可能です。

ただし、この個室の利用には条件があります。

予約は3人以上からとなり、駅のみどりの窓口でのみ手続きが可能です。

料金は通常の指定席特急料金と同じですが、プライベートな空間を確保できるメリットは大きいと言えるでしょう。

また、多くの新幹線に設置されている「多目的室」の利用も考えられますが、これは体の不自由な方や体調不良の方、授乳が必要な方が優先されるスペースです。

ペット同伴での利用は予約できず、当日の車掌の判断に委ねられます。

空いていたとしても、優先利用者が現れれば席を譲る必要があるため、当てにするのは難しいのが実情です。

乗車時に犬がうるさい場合の周囲への配慮

乗車時に犬がうるさい場合の周囲への配慮

規定を守って乗車できたとしても、飼い主さんが次に心配になるのは、愛犬が慣れない環境で騒いでしまわないか、という点でしょう。

乗車時に犬がうるさいと、他の乗客に多大な迷惑をかけてしまいます。

そうした事態を避けるためには、事前の準備と乗車中の配慮が欠かせません。

最も大切なのは、日頃からキャリーケースやクレートを「安心できる場所」だと愛犬に教えておく「ハウストレーニング」です。

移動のときだけ無理やり入れるのではなく、普段からおやつを使ったり、中で寝かせたりして、ポジティブな印象を持たせておきましょう。

乗車前には、駅の周辺で十分に散歩をさせ、トイレを済ませておくことも大切です。

適度に疲れさせることで、車内でリラックスしやすくなる効果も期待できます。

新幹線の座席を選ぶ際には、他の乗客との距離を確保しやすい車両の一番前か一番後ろの席を指定するのがおすすめです。

足元のスペースが広く、キャリーを置きやすいメリットがあります。

また、万が一愛犬が騒いでしまった際に、すぐにデッキへ移動できるのも利点です。

車内では、キャリーの中から愛犬の顔を出させることはルール違反です。

愛犬が落ち着かない場合は、キャリーの上からブランケットなど布をかけて視界を遮ってあげると、安心することがあります。

また、長時間食べられるおやつや、音の出ないおもちゃを中に入れておくのも有効な手段の一つです。

規定内で使えるおすすめのキャリーは?

規定内で使えるおすすめのキャリーは?

愛犬との新幹線移動を成功させる鍵の一つが、キャリー選びです。

JRの規定を満たしつつ、愛犬が快適に過ごせ、飼い主も運びやすいキャリーとはどのようなものでしょうか。

まず、大前提となるのがJRの規定をクリアしていることです。

  • 形状
    ハードクレート、または形態が固定されたショルダー、リュックタイプ
  • サイズ
    タテ・ヨコ・高さの合計が120cm以内
  • 重量
    愛犬とケースを合わせて10kg以内

この条件を満たすキャリーを選ぶ必要があります。

特に、プラスチック製のハードクレートは、丈夫で安定感があり、愛犬の安全を守る観点からも推奨されます。

扉が金網になっているタイプであれば、給水器を取り付けることも可能です。

リュックタイプやショルダータイプのキャリーは、両手が空くため、切符の確認や他の荷物を持つ際に便利です。

ただし、選ぶ際には底がしっかりしていて、犬が入っても形が崩れないものを選ぶことが大切です。

ペットカートを利用したい場合は、前述の通り、ケース部分が分離できるモデルを選びましょう。

分離後のケースが上記の規定を満たしているか、購入前に必ず確認してください。

カート部分は折りたたんで、荷物スペースに置くことになります。

どのタイプのキャリーを選ぶにしても、購入後は必ず事前に愛犬を慣れさせておく期間を設けてください。

キャリーの中で落ち着いて過ごせるようになれば、長時間の新幹線の旅も、愛犬にとってのストレスを大きく軽減できるはずです。

新幹線で犬が10キロ以上の移動を考える総括

新幹線で犬が10キロ以上の移動を考える総括

この記事では、新幹線に10kg以上の犬と乗車することに関する様々な情報やルールを解説してきました。

最後に、重要なポイントを改めてまとめます。

  • 新幹線でのペット同伴は有料の「手回り品」扱い
  • 重量はキャリーケースと合わせて10kg以内が上限
  • ケースサイズはタテ・ヨコ・高さの3辺合計が120cm以内
  • 10kgをわずかでも超える犬はルール上乗車できない
  • 11kgや12kgといった中型犬の同伴は原則として不可能
  • 大型犬は重量制限により新幹線に乗ることはできない
  • ドッグスリングなど形態が固定しないケースは使用不可
  • ペットカートはケース部分を分離できれば持ち込める可能性がある
  • 手回り品料金は1個につき290円(2025年5月現在)
  • 手回り品きっぷは有人の改札窓口などで購入する
  • 愛犬のために追加で座席を購入することはできない
  • 多目的室の利用は優先利用者がいるため保証されない
  • 山陽新幹線「ひかりレールスター」には予約可能な個室がある
  • 乗車前にはキャリーに慣れさせるハウストレーニングが不可欠
  • 周囲への配慮として鳴き声や物音対策を準備する
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