「鼻ペチャで愛嬌のある顔が好き」「元気いっぱいな姿が可愛い」そんな魅力から、ボストンテリアを家族に迎えたいと考える方は少なくありません。
しかし、ネットで検索すると「ボストンテリア 飼いにくい」という言葉を目にして、不安を感じているのではないでしょうか。
本当に気性が荒いのか、ボストンテリアは攻撃性があるのか、そして体の匂いはどうなのか、ボストンテリアは臭る?といった疑問が浮かぶかもしれません。
また、実際に飼う注意点として、値段や知っておくべき欠点、一緒に寝る際の注意点、そして思わぬ「あるある」まで、気になる点は多いことでしょう。
しつけの難しさから飼い始めて後悔する未来は、誰しも避けたいはずです。
最悪の場合、こんなはずではなかったと「譲ります」と考える事態に陥りたくないものです。
この記事では、ボストンテリアが飼いにくいと言われる理由を深く掘り下げ、後悔せずに幸せな毎日を送るための具体的な知識と準備について、詳しく解説していきます。
- ボストンテリアが飼いにくいと言われる具体的な理由
- 性格や健康面で特に注意すべき欠点
- 迎える前に必要な費用や心構え
- 後悔せずに楽しく暮らすための秘訣
ボストンテリアは飼いにくいと言われる本当の理由

この章では、ボストンテリアが「飼いにくい」と感じさせてしまう可能性のある、彼らの持つ特性について詳しく解説します。
- ボストンテリアは本当に気性が荒いのか
- ボストンテリアは攻撃性がある?
- 知っておきたいボストンテリアの欠点
- 飼い主が共感するボストンテリアあるある
- ボストンテリアの体の匂いは?
- 一緒に寝る時に気を付けたいこと
ボストンテリアは本当に気性が荒いのか

ボストンテリアが「気性が荒い」と評されることがありますが、これは彼らの持つ「テリアキャラクター」と呼ばれる気質に由来する誤解である場合がほとんどです。
本来、テリア種の犬は、狩猟で自己判断し行動する能力を高く評価されてきました。
このため、ボストンテリアも知能が非常に高く、自己主張がハッキリしています。
自分が「こうしたい」と考えたことに対しては、強いこだわりを見せ、頑固な一面をのぞかせることもあるでしょう。
この特性が、飼い主の指示にすぐ従わない場面で「言うことを聞かない」「気性が荒い」という印象につながることが考えられます。
しかし、これは無差別に荒々しい行動をとるという意味ではありません。
むしろ、知能の高さからしつけやルールを一度覚えれば、生涯にわたって忠実に守る賢さを持っています。
彼らの主張を理解し、一貫性のあるルールで根気よく向き合うことで、その賢さを良い方向に伸ばすことが可能です。
ボストンテリアは攻撃性がある?

ボストンテリアの攻撃性について心配される声も聞かれますが、これは彼らのルーツである狩猟犬としての側面を理解することで、見方が変わるかもしれません。
テリア種の犬は、獲物を見つけ、追い、仕留めるという役割を担っていました。
その名残から、ボストンテリアは自分の物やお気に入りのおもちゃに対する所有欲が強く、それを守ろうとする行動が、他の犬や人に対して攻撃的であるかのように映ることがあります。
特に、遊びに夢中になっている時や、おやつを食べている時に邪魔をされると、唸ったり歯を当てたりする可能性はゼロではありません。
こうした行動を防ぐためには、子犬の頃からの「社会化」が何よりも大切になります。
家族以外の人や他の犬、様々な物音や環境に慣れさせることで、社会のルールを学び、過剰な防衛本能や警戒心を和らげることができます。
動物病院が主催するパピーパーティなどに参加するのも、非常に良い経験となるでしょう。
適切なしつけと社会化経験を積むことで、彼らの攻撃性と見られがちな行動は十分にコントロールできます。
知っておきたいボストンテリアの欠点

ボストンテリアと暮らす上で、その愛らしい見た目だけではなく、注意すべき健康面の「欠点」とも言える特性を理解しておくことが不可欠です。
特に短頭種特有の問題は、日々のケアに直結します。
注意すべき健康問題 | 具体的な症状やリスク | 飼い主ができる対策 |
---|---|---|
呼吸器系の問題 | 鼻孔狭窄や軟口蓋過長によるいびき、ガーガーという呼吸音、呼吸困難 | 肥満を避け、夏場はエアコンで室温を25度前後に保つ。興奮させすぎず、激しい運動は避ける。 |
皮膚疾患 | アレルギー性皮膚炎、顔のシワに汚れが溜まることによる膿皮症、寄生虫によるアカラス症 | 定期的なシャンプーや顔のシワを拭くなど清潔を保つ。アレルギー対応のフードを選ぶ。 |
目の問題 | 眼球が突出しているため傷がつきやすい(角膜潰瘍)。その他、若齢性白内障やチェリーアイ。 | 散歩中は草むらなどに顔を突っ込ませない。目をこすったりしょぼつかせたりしたらすぐに動物病院を受診する。 |
これらの健康問題は、ボストンテリアという犬種の構造的な特徴に起因するものです。
日頃から愛犬の様子をよく観察し、変化があればすぐに獣医師に相談できる体制を整えておくことが、彼らの健康寿命を延ばす鍵となります。
飼い主が共感するボストンテリアあるある

ボストンテリアと暮らす飼い主たちが「あるある」と頷く行動には、彼らのエネルギーレベルの高さや賢さがよく表れています。
これらの行動を事前に知っておくことで、驚かずに対応できるでしょう。
一つ目は、突然スイッチが入ったかのように家の中を猛ダッシュする、通称「ボストンテリア・ハイパー」です。
これは有り余るエネルギーを発散している行動と考えられ、運動欲求が満たされていないサインかもしれません。
二つ目は、賢いがゆえの高度ないたずらです。
ゴミ箱を漁る、ティッシュを引き出すといった初歩的なものから、飼い主の行動を観察してドアやケージのロックを解除する方法を覚えたり、食品がしまってある棚を開けたりと、ゲームを攻略するかのように次々と新しい手口を編み出します。
留守番中に思わぬものを破壊されることも少なくありません。
これらの行動は、飼い主からすれば困った行動ですが、見方を変えれば彼らが退屈している証拠でもあります。
日々の散歩や遊びの中に、頭を使わせるようなトレーニングや知育玩具を取り入れることで、彼らの欲求を満たし、問題行動を減らすことにつながります。
ボストンテリアの体の匂いは?

「ボストンテリアは臭る?」という疑問を持つ方もいますが、犬種として特に体臭が強いわけではありません。
しかし、いくつかの要因で匂いが発生しやすくなることがあります。
主な原因は、短頭種特有の顔のシワです。
このシワの間には、涙やよだれ、食べかすが溜まりやすく、放置すると細菌が繁殖して皮膚炎を起こし、不快な匂いの元になります。
そのため、食後や散歩の後などに、湿らせた柔らかい布や専用のシートで優しく拭き取り、常に清潔に保つケアが大切です.
また、アレルギー性皮膚炎などの皮膚疾患を患っている場合も、皮膚の状態が悪化して匂いが出ることがあります。
脂っぽいフケが出たり、体を頻繁に掻いたりしている場合は、獣医師に相談しましょう。
適切な食事管理と定期的なシャンプー、そして日々の細やかなケアを怠らなければ、匂いを心配する必要はほとんどありません。
むしろ、他の多くの犬種と同様に、健康であれば気になるほどの匂いはしないと考えてよいでしょう。
一緒に寝る時に気を付けたいこと

愛犬と一緒に寝ることは、飼い主にとって至福の時間かもしれません。
しかし、ボストンテリアと寝る際には、いくつか注意したい点があります。
最も注意すべきは、安全性の確保です。
過去には、車の中で一緒に寝ていたボストンテリアが、夜中にアクセルペダルの配線を噛みちぎってしまったという事例もあります。
これは極端な例かもしれませんが、寝返りを打った際に犬を圧迫してしまったり、ベッドから落ちて怪我をしたりするリスクは常に存在します。
特に子犬の頃は、骨格がまだ未熟なため注意が必要です。
また、短頭種であるボストンテリアは、いびきをかいたり、変わった呼吸音を立てたりすることがあります。
一緒に寝ることで、そうした呼吸状態の変化にいち早く気づけるというメリットは考えられます。
しかし、これらのリスクや衛生面を考慮すると、飼い主のベッドとは別に、すぐそばに愛犬専用のクレートやベッドを設置し、そこで寝る習慣をつけるのが最も安全で理想的と言えるでしょう。
これにより、お互いのプライベートな空間を確保しつつ、安心して夜を過ごすことができます。
ボストンテリアは飼いにくい?避けるための準備

ボストンテリアとの生活を「飼いにくい」と感じないためには、迎える前の心構えと具体的な準備が非常に重要です。
この章では、後悔しないために知っておくべきことを解説します。
- 迎える前に知るべきボストンテリアの値段
- 飼う注意点を理解して迎える準備
- 「譲ります」で探す前に考えるべきこと
- 後悔しない為に知るべきこと
- ボストンテリアは飼いにくいと感じないために
迎える前に知るべきボストンテリアの値段

ボストンテリアを家族に迎えるにあたり、まず現実的な問題として費用について計画しておく必要があります。
初期費用だけでなく、生涯にわたってかかる費用を理解しておくことが大切です。
まず、生体価格ですが、ペットショップやブリーダーから迎える場合、血統や月齢によって幅はありますが、一般的に20万円から50万円程度が目安となるでしょう。
しかし、本当に大切なのはここからです。
迎えた初年度には、以下の費用が追加でかかります。
- 畜犬登録料
約3,000円 - ワクチン接種費用
約15,000円~30,000円 - 狂犬病予防注射
約3,500円 - 生活用品
ケージ、トイレ、食器、ベッド、おもちゃ、ドッグフードなどで数万円 - 去勢・避妊手術費用
30,000円~60,000円(実施する場合)
さらに、生涯を通じてフード代、おやつ代、ペットシーツなどの消耗品費、フィラリア・ノミダニ予防薬、そして定期的な健康診断や予期せぬ病気・怪我の治療費がかかります。
特にボストンテリアは前述の通り、皮膚や目、呼吸器系に疾患が出やすい傾向があるため、医療費に関しては余裕を持った資金計画を立てておくことが、後々の安心につながります。
飼う注意点を理解して迎える準備

ボストンテリアの特性を理解し、彼らが快適に過ごせる環境を整えることが、飼い主の負担を減らし、「飼いにくい」と感じる事態を避けるための鍵となります。
第一に、運動欲求を満たすための準備です。
彼らは小型犬ですが、非常に活発でスタミナがあります。
毎日の散歩は朝夕2回、それぞれ30分程度を目安に、ただ歩くだけでなく、時には早歩きや軽いランニングを取り入れるとよいでしょう。
さらに、週末にはドッグランで思い切り走らせたり、他の犬と遊ばせたりする時間を作ることが、ストレス発散に繋がります。
第二に、知的欲求を満たす環境作りです。
退屈は、賢いボストンテリアにとって大きなストレスとなり、いたずらなどの問題行動を引き起こします。
留守番の際には、おやつを隠して探させる知育玩具を用意するなど、飽きさせない工夫が求められます。
第三に、安全で快適な居住空間の整備です。
特に夏場の室温管理は命に関わるため、エアコンは必須です。
また、誤飲や感電を防ぐために、噛まれたくないものや電気コードは片付けるか、カバーをするなどの対策を徹底しましょう。
最後に、しつけや社会化のための情報収集です。
近隣のしつけ教室やパピーパーティ、ペットの幼稚園などの施設を事前に調べておくと、迎えた後にスムーズに行動できます。
「譲ります」で探す前に考えるべきこと

様々な事情で飼えなくなった犬が「譲ります」という形で新しい家族を探しているケースがあります。
保護犬を迎えることは非常に尊い選択肢の一つですが、その前に冷静に考えるべきことがあります。
特に「思っていたより大変だった」「手に負えなくなった」という理由で手放されたボストンテリアの場合、何らかの行動上の課題(分離不安、吠え、噛みつきなど)を抱えている可能性があります。
新しい飼い主には、その課題に根気強く向き合う覚悟と、専門家の助けを借りることも含めた対応力が求められます。
安易に「譲ってもらえるから」と決めるのではなく、なぜその子が手放されることになったのか、その背景を可能な限り把握することが重要です。
そして、自分の生活環境、時間的・経済的余裕、犬の飼育経験などを客観的に評価し、その子の生涯に責任を持てるかどうかを真剣に自問自答する必要があります。
犬を迎えるという決断は、一つの命を預かるということです。
その重みを理解し、どんな困難があっても最後まで寄り添う覚悟ができて初めて、保護犬を迎えるという選択肢を具体的に検討すべきでしょう。
後悔しない為に知るべきこと

ボストンテリアとの生活で後悔しないために最も大切なのは、彼らの特性を「欠点」としてではなく「個性」として受け入れ、愛情を持って向き合う心構えです。
彼らの頑固さや自己主張の強さは、見方を変えれば、信頼関係を築いたパートナーには深い愛情と忠誠心で応えてくれる魅力的な個性です。
有り余るエネルギーは、一緒にドッグスポーツを楽しんだり、アウトドアレジャーに出かけたりする際の最高の相棒となってくれるでしょう。
確かに、しつけに根気がいる場面や、想像以上のいたずらに頭を悩ませる日もあるかもしれません。
また、医療費などで経済的な負担がかかる可能性もあります。
しかし、それらの「大変さ」を上回る喜びや癒し、そして共に成長する楽しさを、彼らは与えてくれます。
「小型犬だからおとなしいだろう」「手がかからないだろう」という先入観は捨て、一人の個性的な家族として迎える覚悟が必要です。
彼らが必要とする運動、しつけ、そして愛情を十分に提供できるか、自分のライフスタイルと照らし合わせて真剣に考えること。
それが、後悔のない、幸せなドッグライフへの第一歩となります。
ボストンテリアは飼いにくいと感じないために

この記事を通して、ボストンテリアが「飼いにくい」と言われる背景と、共に幸せに暮らすための具体的な方法について解説してきました。
最後に、重要なポイントをまとめます。
- ボストンテリアはテリア種の特性を持つ賢い犬種
- 飼いにくいと言われるのは活発さと頑固さに由来する
- 高い知能はしつけやトレーニングで良い方向に活かせる
- 気性が荒いのではなく自己主張がハッキリしている
- 攻撃的と見られる行動は社会化トレーニングで予防できる
- 毎日の散歩に加えてドッグランなどで運動欲求を満たす必要がある
- 退屈や運動不足は問題行動の原因になりやすい
- 短頭種のため暑さに弱く室温管理が不可欠
- 呼吸器系や皮膚、目の疾患に注意が必要
- 定期的な健康診断で早期発見・早期治療を心がける
- 賢いがゆえにイタズラをすることもあるため環境整備が大切
- 留守番が長いと分離不安になる傾向がある
- 子犬の頃からの社会化が将来の関係性を大きく左右する
- 必要であればしつけ教室や幼稚園の利用も検討する
- 大変さも個性と捉え愛情と時間をもって向き合う覚悟が求められる