犬のトリミングでは、シャンプーやカットの前後にブラッシングが行われます。見た目を整えるだけでなく、抜け毛や汚れを除き、もつれを見つけ、皮膚の状態を確認するための大切な工程です。ただし、「毛を抜く」と表現されるレーキングやプラッキングは目的が異なり、どの犬にも行うものではありません。
抜け毛が多いからと、取れるだけ毛を取るのは危険です。被毛には皮膚を紫外線や摩擦、温度変化から守る役割があり、生きている毛まで切ったり引き抜いたりすると、毛質や皮膚を傷めることがあります。短毛、長毛、ダブルコート、巻き毛、ワイヤーコートなど、犬の毛質に合う道具と方法を選び、痛みや赤みが出る前に止めることが基本です。
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- ブラッシング・抜け毛処理・レーキング・プラッキングの違い
- 短毛・長毛・ダブルコートなど毛質別のブラシ選び
- 皮膚を引っ張らず毛玉と抜け毛を安全に扱う手順
- トリミング後も抜け毛が出る理由と受診したい変化
ブラッシングの目的
ブラッシングは単に毛並みをきれいに見せる作業ではありません。適切に行えば、被毛の状態を整えながら、皮膚や身体の変化を早く見つける機会になります。
抜けた毛と汚れを除く
犬の毛は成長と休止を繰り返し、自然に抜け替わります。ブラシは、すでに抜けて被毛の中へ残っている毛、ほこり、植物片などを取り除きます。ダブルコートでは、柔らかな下毛が上毛の間にたまると、風が通りにくくなり、湿気や汚れを抱えやすくなります。
一方、ブラッシングで換毛そのものを止めることはできません。道具へ毛が多く付くほど成功とは限らず、同じ場所を何度もこすれば皮膚の赤みや切れ毛につながります。抜ける準備ができた毛を無理なく回収するという考え方が大切です。
もつれを小さいうちに見つける
耳の後ろ、脇、内股、首輪やハーネスの下、尾の付け根、脚の飾り毛は、摩擦と湿気でもつれやすい場所です。小さなもつれの段階で指とコームを使ってほぐせば、皮膚へ密着する毛玉へ進むのを防ぎやすくなります。
毛玉は皮膚を引っ張り、動くたびに痛みを起こすことがあります。その下に赤みや傷が隠れている場合もあります。皮膚へ密着した硬い毛玉へブラシやはさみを入れるのは危険なため、トリマーや獣医師へ相談してください。
皮膚と身体を観察する
被毛を分けると、赤み、フケ、べたつき、傷、脱毛、しこり、寄生虫などを確認できます。犬が特定の場所だけ触られるのを嫌がる場合は、関節や皮膚の痛みが隠れている可能性もあります。
ブラッシング中に異常を見つけたら、さらに強くブラシを当てて原因を探らず、写真と場所を記録します。出血、膿、強いにおい、腫れ、痛み、急な脱毛がある場合は動物病院へ相談してください。
アメリカンケネルクラブの家庭グルーミングガイドも、ブラッシングは汚れ、抜け毛、フケの除去と、皮膚の傷や異常を見つける機会になると案内しています。必要な頻度と道具は犬種、毛質、生活環境で変わります。
抜け毛処理との違い
「抜け毛処理」は一つの決まった技法名ではなく、浮いた毛を除く複数の方法をまとめた表現です。ブラッシング、コーミング、シャンプー、ブロー、レーキングなどを犬に合わせて組み合わせます。
ブラッシング
ブラシを使って毛並みを整え、表面から中間層の抜け毛や汚れ、軽いもつれを除く基本ケアです。ラバーブラシ、獣毛ブラシ、ピンブラシ、スリッカーブラシなど、毛質に応じて使い分けます。
ブラッシングは家庭で継続しやすい一方、毛の表面だけをなでていると根元のもつれを見落とします。長毛犬や巻き毛では、被毛を少しずつ分けて根元から毛先へ整え、最後にコームが皮膚近くから毛先まで通るかを確認します。
コーミング
コームは歯が一直線に並ぶ道具で、ブラシ後のもつれの確認、細かな毛並みの仕上げに使います。粗い歯から始め、必要な場合に細かい歯へ移ります。毛玉へ歯を差して力任せに引く道具ではありません。
皮膚と毛玉の間を指で支え、毛先側から少しずつほぐします。コームが止まる場所を見つけたら、引っ張らず原因を確認してください。
デシェディング
デシェディングは、換毛期などに抜けた下毛や死毛を集中的に除くケアの総称です。専用ツール、レーキ、シャンプー、ブローを組み合わせることがあります。サロンの「抜け毛処理」や「換毛コース」がこれに当たる場合がありますが、内容は店舗ごとに違います。
刃付きのデシェディングツールには、抜け毛をすくうタイプと、毛を切る作用を持つタイプがあります。上毛まで切ると毛質や見た目が変わるため、刃の構造と対象毛種を確認します。サロンでは、使う道具、所要時間、追加料金、皮膚が赤くなった場合の中止基準を聞きましょう。
トリミング後の抜け毛
サロンで抜け毛処理をしても、その後の換毛が止まるわけではありません。施術中に浮いた毛やカットした細かな毛が被毛へ残り、帰宅後に落ちることもあります。数日間少量が落ちるだけなら、軽いブラッシングで整えられる場合があります。
一方、皮膚が赤い、かさぶたがある、触ると痛がる、毛が束で抜けて地肌が見える、左右対称に脱毛する場合は、通常の「残り毛」と決めつけないでください。施術内容をサロンへ確認し、動物病院へ相談します。
レーキングとは
レーキングは、主にダブルコートの下毛へ届くレーキ状の道具を使い、抜けたアンダーコートを除く方法です。上毛を守りながら下毛を整えるには、歯の長さ、間隔、力のかけ方が重要です。
ダブルコート向けの技法
ダブルコートは、外側の上毛と内側の下毛からなります。換毛期には柔らかな下毛がまとまって抜け、被毛の中へ残ります。アンダーコートレーキは、上毛の間から下毛へ届き、浮いた毛をすくい取るために使われます。
短いダブルコートと長いダブルコートでは、必要な歯の長さが違います。歯が短すぎれば下毛へ届かず、長すぎれば皮膚へ当たりやすくなります。犬の被毛の深さより極端に長い歯を選ばないでください。
刃付きと刃なしを区別する
見た目が似ていても、丸いピンで下毛をすくうレーキと、内側に刃が付いて毛を切る道具があります。刃付きタイプは毛玉や密な下毛へ入りやすい一方、上毛や健康な毛を切ることがあります。購入時は「何を除く道具か」「刃で切る構造か」を確認します。
刃付きの道具を毎日同じ場所へ使うと、被毛が薄く見えたり、上毛が不ぞろいになったりする場合があります。家庭では、まずピンやコームで状態を確認し、必要性が分からなければトリマーへ毛質を見てもらいましょう。
皮膚へ平行に動かす
レーキを皮膚へ直角に立てて掘るように使わず、毛の流れに沿って浅い角度で短く動かします。一回ごとに取れた毛を外し、同じ場所を繰り返しません。脇、腹、内股、耳の後ろなど皮膚が薄い場所では使わないか、より穏やかな道具へ替えます。
犬が振り返る、皮膚が動くほど引っ張られる、赤くなる、フケが増える場合は中止します。下毛が固く詰まり、レーキが通らない状態を力で解決してはいけません。
サロンで確認する内容
サロンの「レーキング」は、時間制、取れた毛の量、犬のサイズで料金が変わる場合があります。何分行うかだけでなく、使用道具、対象部位、上毛を切る可能性、皮膚の確認方法を尋ねます。
定期的なレーキングが必要かは、犬種名だけで決まりません。同じ犬種でも毛量、避妊去勢後の被毛変化、年齢、皮膚病、季節で違います。施術後の家庭用ブラシと頻度もトリマーへ確認しましょう。
プラッキングとは
プラッキングは、主に硬いワイヤーコートの成熟した上毛を指や専用ナイフで抜き、新しい硬い毛の成長を促しながら犬種らしい毛質と輪郭を保つ技法です。単なる抜け毛掃除ではありません。
ワイヤーコートの管理
一部のテリアやシュナウザー、ワイヤー系犬種では、成熟した硬い毛が自然には落ちにくく、ハンドストリッピングやプラッキングで計画的に除くことがあります。適切な時期の成熟毛を少量ずつ毛の流れに沿って処理します。
AKCのグルーマー向け毛質説明でも、ワイヤーコートは硬い上毛と柔らかな下毛からなり、新しい毛の成長を促すために成熟毛を抜く管理が説明されています。対象犬種の被毛を理解した専門家が行う技法です。
レーキングとの違い
レーキングは主にダブルコート内の抜けた下毛を道具ですくうのに対し、プラッキングはワイヤーコートの成熟した上毛を根元から選んで抜きます。目的、対象となる毛、道具、仕上がりが異なります。
| 方法 | 主な対象 | 取り除く毛 | 家庭での位置づけ |
|---|---|---|---|
| ブラッシング | ほぼ全毛質 | 表面の汚れ、抜け毛、軽いもつれ | 毛質に合う道具なら基本ケア |
| コーミング | 長毛・巻き毛など | 細かな抜け毛、もつれの確認 | ブラシ後の確認に有効 |
| レーキング | 主にダブルコート | 浮いた下毛 | 道具選びと力に注意 |
| プラッキング | 主にワイヤーコート | 成熟した硬い上毛 | 専門家の技術が望ましい |
「毛を抜く」という共通点だけで同じ方法と考えないでください。ダブルコートの犬へテリア用のプラッキングを行ったり、ワイヤーコートへ下毛レーキだけを使ったりしても、目的に合いません。
自宅で無理に行わない
成熟していない毛を引けば痛みがあり、皮膚を傷つけます。範囲、毛の成長段階、皮膚の張り方、ナイフの扱いを学ばず、動画だけを見て全身へ行うのは避けてください。初めてなら、犬種のワイヤーコートを扱うサロンやブリーダーへ相談します。
家庭では、痛みのない基本ブラッシングと皮膚確認を続け、専門施術の間隔と自宅で使う道具を教えてもらう方法が安全です。高齢、皮膚病、痛みがある犬では、プラッキングを行わずバリカン仕上げを選ぶこともあります。毛質の維持と犬の快適さを比較して決めましょう。
サロンへ「プラッキングできますか」と聞くだけでなく、対象犬種の施術経験、全身を一度に行うか毛の周期に合わせて分けるか、犬が痛がった場合の中止基準を確認してください。
毛質別のブラシ選び
おすすめのブラシは一つではありません。犬種名だけでなく、毛の長さ、密度、下毛、もつれやすさ、皮膚の敏感さを見て選びます。
短く滑らかな被毛
ビーグル、パグ、ボクサーなどの短く滑らかな毛には、ラバーブラシ、グルーミングミット、柔らかい獣毛ブラシが使いやすいでしょう。ラバーは浮いた短毛を絡め取り、獣毛ブラシは表面を整えます。
短毛は皮膚まで道具が届きやすいため、強い摩擦に注意します。ラバーを同じ場所へ円を描くように長時間使うと赤みが出る場合があります。毛の流れに沿って短く動かし、胸や腹では力を弱めます。
短いダブルコート
柴犬、コーギーなど密な下毛がある犬では、スリッカー、コーム、アンダーコートレーキを状態に応じて使います。表面だけをスリッカーでなでるのではなく、毛を分け、下毛が固まっていないか確認します。
換毛期以外にレーキを頻繁に使う必要がない犬もいます。道具が皮膚へ届きすぎる場合は、歯が短いものやラバーブラシへ替えます。
長毛と飾り毛
ヨークシャーテリア、マルチーズ、スパニエル系の飾り毛などには、ピンブラシや柔らかいスリッカー、金属コームを組み合わせます。毛先から少量ずつもつれを解き、片方の手で根元を支えると皮膚への引っ張りを減らせます。
表面がきれいでも、耳後ろ、脇、内股の根元に毛玉が残ることがあります。最後にコームが根元から毛先まで通るかを確認します。静電気や切れ毛が多い場合は、ブラシの材質や力、被毛の乾燥を見直します。
巻き毛と伸び続ける毛
プードル、ビションなどの巻き毛は、抜けた毛が周囲の毛へ絡み、毛玉になりやすいタイプです。スリッカーで被毛を少しずつ分けて整え、コームで確認します。長く保つほど頻度と技術が必要になります。
スリッカーのピンは皮膚を傷つけることがあるため、手の甲へ軽く当てて痛くない力を確認します。毛玉へ引っかけて勢いよく引かず、硬い毛玉はプロへ任せます。
ワイヤーコート
日常の表面ケアには獣毛ブラシ、ピンブラシ、コームなどを使いますが、犬種らしい硬い毛質を維持するプラッキングは別工程です。ブラッシング用の道具とストリッピングナイフを混同しないでください。
ペットとして柔らかい仕上がりを希望するか、犬種標準に近い硬い毛を維持するかで施術方法が変わります。年齢、皮膚、犬の負担も含め、経験のあるトリマーと相談します。
敏感な皮膚
皮膚病、薄毛、シニア犬、治療中の犬には、柔らかい獣毛ブラシや先端が皮膚へ当たりにくい道具を選び、時間を短くします。赤みやかゆみがある部位へ自己判断でブラシをかけず、獣医師へ相談してください。
「低刺激」と表示された製品でも、力が強ければ皮膚は傷つきます。道具の名称より、犬の皮膚へ当たる形、力、回数が重要です。
皮膚や被毛に合ったケア用品を選びましょう
シャンプーやブラシは、犬種・猫種や毛質、皮膚の状態によって適したものが異なります。刺激の強さや使用頻度にも注意し、無理のないケアを続けましょう。
安全なブラッシング手順
適切なブラシでも、毛玉を引っ張る、同じ場所をこする、犬を高い台へ放置すると事故になります。短く終えられる手順を作りましょう。
- 明るく滑らない場所を準備する
床にマットを敷き、犬が逃げても落下しない場所で行います。ブラシ、コーム、毛を入れる袋を手の届く位置に置きます。 - 手で全身を確認する
ブラシの前に、毛玉、傷、しこり、痛み、植物片を指で確認します。異常がある部位は避けます。 - 犬が触られやすい部位から始める
肩や背中など落ち着きやすい場所から、短く優しいストロークで始めます。顔、足、尾を最初から無理に扱いません。 - 被毛を小さく分ける
長毛や巻き毛は、一度に表面全体をなでず、毛を持ち上げて根元側から少しずつ整えます。毛先のもつれから先に解きます。 - 根元を支える
もつれの皮膚側を指で持ち、引っ張る力が皮膚へ伝わらないようにします。ブラシが止まったら力を加えず外します。 - 敏感な場所で力を弱める
耳、脇、腹、内股、骨の出た場所は特に優しくします。乳首、いぼ、傷へピンを当てません。 - コームで仕上がりを確認する
毛質に合う粗さのコームを使い、根元から毛先へ無理なく通るか確認します。止まる場所を引き抜かず、再び少量ずつほぐします。 - 皮膚と犬の反応を見る
赤み、フケ、出血、毛の切れ、痛みがないか確認します。犬が固まる、逃げる、振り返る、うなる場合は終了します。
一回で全身を終えなくても構いません。今日は背中、翌日は脚というように分けると、犬と飼い主の負担を減らせます。
毛玉へはさみを入れない
皮膚へ密着した毛玉は皮膚を持ち上げています。毛玉と皮膚の境界が見えない状態では、はさみで皮膚を一緒に切る危険があります。コームを皮膚との間に入れれば安全という方法も、薄い皮膚が入り込んでいれば完全ではありません。
大きい、硬い、広範囲、触ると痛がる毛玉はプロへ任せます。毛玉をほどくより、獣医師やトリマーが安全に短く刈るほうが負担の少ない場合があります。
ブラシを清潔に保つ
使用後は毛を除き、メーカーの方法で洗浄・乾燥します。ピンの曲がり、さび、欠け、クッションの破損を確認し、皮膚を傷つける状態なら交換します。複数頭で共用する場合は、皮膚病や寄生虫を広げない衛生管理が必要です。

サロンでの確認ポイント
抜け毛や毛玉が多い犬をサロンへ任せるときは、施術名だけでなく内容と中止基準を確認します。
メニュー名の中身を聞く
「抜け毛処理」「レーキング」「デシェッド」「プラッキング」は店舗独自の呼び方を含むことがあります。使う道具、対象となる毛、施術時間、追加料金、上毛を切る可能性を聞きます。
ワイヤーコートでプラッキングを希望するなら、対象犬種の経験、施術周期、バリカン仕上げとの違い、犬の年齢や皮膚状態による変更を確認してください。
施術前に状態を共有する
家庭で使っているブラシ、前回の施術、皮膚病、薬、嫌がる部位、過去のブラシ負けを伝えます。抜け毛や毛玉を隠さず、いつから増えたかを話すと、時間と負担を判断しやすくなります。
施術途中で皮膚が赤くなった、犬が痛がる、長時間立てない場合は、仕上がり途中でも中止することに同意しておきます。
帰宅後のケアを聞く
どの道具をどの部位に使ったか、家庭では何日後からどのブラシを使うか、施術後の赤みや抜け毛をどう見るかを確認します。帰宅後に毛が落ちたからと、すぐ強いレーキングを重ねないでください。
サロンで大量の毛が取れた写真だけで技術を判断せず、上毛を守れたか、皮膚が赤くないか、犬が落ち着いて終えられたかを確認しましょう。
受診したい変化
抜け毛の量だけでは、正常な換毛と病的な脱毛を区別できません。皮膚と全身状態を合わせて見ます。
次の変化があれば、ブラシや抜け毛処理を増やす前に動物病院へ相談してください。
- 地肌が見える局所的・左右対称の脱毛
- かゆみ、噛む、こする、眠れない
- 赤み、腫れ、膿、出血、かさぶた
- べたつき、強いにおい、急なフケ
- 毛が簡単に束で抜ける、毛が途中で切れる
- 皮膚の色や厚さが変わった
- 体重、食欲、元気、飲水量も変化した
使用した道具、頻度、力、シャンプー、施術日、症状の写真を記録すると診察に役立ちます。人用の育毛剤や皮膚薬を塗らないでください。
気になる症状が続くときは動物病院へ
食欲や元気の低下、嘔吐、下痢、呼吸の異常などは、見た目だけでは原因を判断できないことがあります。いつもと違う状態が続く場合や急激な変化がある場合は、早めに獣医師へ相談しましょう。
犬のブラッシングFAQ
- ブラシは何本必要ですか?
-
本数より、毛質と目的に合うことが大切です。短毛ならラバーと獣毛ブラシ、長毛や巻き毛ならスリッカーまたはピンブラシと確認用コームなど、役割の異なる二つを組み合わせると便利です。トリマーへ実際の被毛を見せて選びましょう。
- レーキングは毎日してよいですか?
-
通常は毎日一律に行うものではありません。換毛、下毛の量、皮膚、道具の構造で適切な頻度が変わります。刃付き道具を同じ場所へ繰り返すと、上毛や皮膚を傷める可能性があります。日常は穏やかなブラッシングを基本にします。
- プラッキングは犬に痛くないのですか?
-
適切な時期の成熟したワイヤー毛を、技術のある人が少量ずつ処理する場合は負担を抑えられます。しかし、未熟な毛や皮膚を引けば痛みがあります。すべての犬種に必要な方法ではなく、初めてなら専門トリマーへ相談してください。
- トリミング後も毛が抜けるのは失敗ですか?
-
必ずしも失敗ではありません。換毛は施術後も続き、浮いた毛やカット毛が残って落ちる場合があります。ただし、赤み、痛み、かさぶた、地肌が見える脱毛があるなら、サロンへ工程を確認し、動物病院へ相談してください。
- 毛が多く取れるブラシが一番よいですか?
-
いいえ。毛が多く取れる道具は、生きている毛を切っている場合もあります。犬の毛質に合い、皮膚を傷つけず、必要な抜け毛だけを除けることが大切です。取れた量ではなく、皮膚と被毛の状態で評価してください。
まとめ
犬のトリミングで行うブラッシングは、抜け毛と汚れを除き、もつれを防ぎ、皮膚や身体の変化を見つける基本ケアです。抜け毛処理はブラッシング、コーミング、シャンプー、ブロー、レーキングなどを組み合わせた広い概念であり、毛を取れるだけ取る作業ではありません。
レーキングは主にダブルコートの浮いた下毛をレーキで除く方法、プラッキングは主にワイヤーコートの成熟した上毛を選んで抜く専門技法です。対象となる毛と目的が違うため、犬種名だけで自己流に使い分けないでください。特に刃付きの抜け毛道具とプラッキングは、上毛、皮膚、毛の成長周期へ影響します。
ブラシは、短毛にはラバーや獣毛、長毛にはピンやスリッカーとコーム、ダブルコートには状態に応じたスリッカーやアンダーコートレーキなど、毛質と部位で選びます。力を入れず、毛先から少しずつ、根元を支え、赤みや痛みが出る前に終了しましょう。皮膚へ密着した毛玉、専門的なレーキングやプラッキング、病的な脱毛は、トリマーや獣医師へ相談することが大切です。

