「小さくて愛らしい豆柴と一緒に暮らしたい」と夢見る方は多いでしょう。
しかし、その可愛らしさだけで飼い始めると、思わぬ困難に直面することがあります。
豆柴のデメリットを理解しないまま迎えてしまい、飼うのが大変で後悔したり、最悪の場合、手放したいと感じたりするケースは少なくありません。
この記事では、豆柴を飼う前に知っておくべき現実的な欠点や注意点を詳しく解説します。
性格悪いと言われる理由、かわいそうという意見の背景、気になる値段や寿命、そして大きくなる確率といった不安にもお答えします。
また、柴犬とどっちが飼いやすいのか、豆柴は頭がいい犬ですか?といった疑問にも触れながら、室内での正しい飼い方やメリットにも光を当てていきます。
豆柴との生活を心から楽しむために、まずはこの記事で知識を深めていきましょう。
- 豆柴を飼って後悔しがちな具体的な理由
- 性格やサイズなど豆柴特有の注意点
- 柴犬との違いと賢い室内での飼い方
- 生涯かかる費用や寿命に関するリアルな情報
豆柴を飼って後悔?知っておくべきデメリット

- 飼うのは大変?後悔する前に知るべきこと
- 手放したいと感じてしまう豆柴の欠点
- 性格悪い、かわいそうと言われる背景
- デメリットだけではない豆柴のメリット
- 豆柴が大きくなる確率とサイズの問題
飼うのは大変?後悔する前に知るべきこと

豆柴との生活は大きな喜びをもたらしますが、その一方で「飼うのが大変」と感じる側面があるのも事実です。
安易な気持ちで飼い始めると後悔につながる可能性があるため、事前に大変さを理解しておくことが大切になります。
まず、豆柴は体が小さいながらも、そのルーツは猟犬である柴犬です。
そのため、毎日の散歩は欠かせません。
1日2回、それぞれ30分程度の散歩が目安とされ、運動欲求を満たしてあげないとストレスの原因となります。
忙しい生活の中で、この時間を毎日確保するのは想像以上に大変かもしれません。
また、しつけには根気と一貫性が求められます。
豆柴は賢い犬種ですが、同時に自立心が強く頑固な一面も持ち合わせています。
飼い主がリーダーシップを発揮し、子犬の頃から社会化トレーニングや基本的なしつけを徹底しないと、指示に従わない、あるいは問題行動を起こす犬に育ってしまう恐れがあります。
可愛さのあまり甘やかしてしまうと、主従関係が崩れて後悔することになりかねません。
さらに、抜け毛の多さも覚悟が必要です。
ダブルコートの被毛を持つため、特に春と秋の換毛期には驚くほどの毛が抜けます。
日々のブラッシングはもちろん、こまめな掃除が欠かせなくなり、アレルギーを持つ家族がいる場合は特に慎重な検討が求められます。
このように、豆柴との生活には相応の時間的、体力的な負担が伴うことを知っておくべきです。
手放したいと感じてしまう豆柴の欠点

豆柴を飼い始めたものの、さまざまな理由から「手放したい」という辛い気持ちに至ってしまうケースも存在します。
そうした状況を避けるためにも、飼い主が挫折しやすい具体的な欠点をあらかじめ把握しておくことが求められます。
最も大きな要因の一つが、警戒心の強さからくる行動です。
豆柴は家族には深い愛情を示しますが、見知らぬ人や他の犬に対しては強い警戒心を見せることがあります。
これが、散歩中の吠えや威嚇、来客に対する攻撃的な態度につながることが少なくありません。
社会化トレーニングが不十分だと、こうした行動がエスカレートし、飼い主がコントロールできずに孤立感やストレスを抱え、手放したいと考えるきっかけになり得ます。
次に、抜け毛と皮膚トラブルの問題です。
前述の通り、豆柴は抜け毛が非常に多く、日々のケアを怠ると家の中が毛だらけになるだけでなく、犬自身の皮膚の健康も損なわれる可能性があります。
柴犬系統はアレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎を発症しやすい傾向があり、一度発症すると長期的な治療や食事管理、定期的なシャンプーが必要になります。
こうした継続的なケアと医療費の負担が、飼い主にとって大きな重圧となることがあるのです。
加えて、留守番が苦手な子もいます。
本来は自立心が高い犬種ですが、小型化される過程で依存心が強まる傾向も見られます。
長時間の留守番が続くと、分離不安から問題行動(破壊行動や無駄吠え)を起こすこともあり、共働きで家を空ける時間が長い家庭では、飼育が困難になる場合も考えられます。
これらの欠点は、愛情だけでは乗り越えがたい現実的な壁となり得るのです。
性格悪い、かわいそうと言われる背景

豆柴について調べると、「性格悪い」あるいは「かわいそう」といった言葉を目にすることがあります。
これらの言葉には、豆柴の特性や作出の背景に関する誤解や、知っておくべき事実が隠されています。
まず、「性格悪い」という評価は、多くの場合、豆柴の持つ日本犬特有の気質への無理解から生じます。
豆柴は柴犬の性質を色濃く受け継いでおり、自立心が高く、主人と認めた相手にのみ忠誠を尽くす傾向があります。
誰にでもフレンドリーに接する洋犬とは異なり、家族以外にはそっけない態度を取ったり、警戒心をむき出しにしたりすることがあります。
これを「性格悪い」と捉える人もいますが、本来は飼い主に忠実で、クールな愛情表現をする犬種なのです。
また、しつけがうまくいかない場合に、飼い主が犬のせいにして「性格が悪い」と結論づけてしまうケースも少なくありません。
一方で、「かわいそう」という意見は、主に豆柴の作出過程に向けられています。
豆柴は、犬種として公認している団体が少なく、多くは「標準より小さい柴犬」という扱いです。
人気に乗じて、単に成長を妨げるような不適切な食事制限によって小さく見せかけたり、健康面を度外視した無理な交配で小型化を図ったりする悪質な業者が存在したことも事実です。
このような経緯で生まれた子犬は、遺伝的な疾患を抱えやすかったり、体が弱かったりすることがあり、それが「かわいそう」というイメージにつながっています。
信頼できるブリーダーやペットショップから迎えることが、こうした悲劇を避けるために非常に大切です。
デメリットだけではない豆柴のメリット

ここまで豆柴の注意すべき点について触れてきましたが、もちろんデメリットを補って余りあるほどの素晴らしいメリットが存在します。
豆柴と共に暮らすことで得られる喜びや利点を理解することは、彼らを家族として迎える上で同じくらい大切です。
最大のメリットは、その圧倒的な愛らしさと、飼い主に深い癒やしを与えてくれる存在であることでしょう。
小さな体で一生懸命に愛情を表現する姿は、日々の疲れやストレスを忘れさせてくれます。
飼い主に忠実で、深い信頼関係を築くことができるため、一度心を通わせれば、何にも代えがたい唯一無二のパートナーとなってくれるはずです。
また、豆柴との生活は、飼い主の生活リズムを健康的で規則正しいものに変えてくれることがあります。
朝晩の散歩や食事の時間を守る必要があるため、自然と早起きになったり、外食が減ってすぐに家に帰りたくなったりと、犬中心の健全なライフスタイルが身につきます。
これは、自分一人ではなかなか変えられない生活習慣を、良い方向に導いてくれるきっかけとなり得ます。
さらに、日本の住宅事情に適したサイズであることも大きな利点です。
柴犬の魅力はそのままに、よりコンパクトなサイズであるため、マンションや都市部の住環境でも比較的飼育しやすいと言えます。
もちろん、十分な運動は必要ですが、室内でのスペース確保の面では中型犬である柴犬よりもハードルが低いと考えられます。
このように、豆柴は飼い主の心と体の両方に、良い影響を与えてくれる素晴らしい家族の一員となるのです。
豆柴が大きくなる確率とサイズの問題

豆柴を飼う上で最も注意すべき点の一つが、成長後のサイズが必ずしも「豆柴サイズ」になるとは限らないことです。
豆柴は犬種として確立されているわけではなく、「小さいサイズの柴犬」であるため、将来的に標準的な柴犬の大きさにまで成長する可能性は常にあります。
JKC(ジャパンケネルクラブ)などの主要な血統書発行団体では、豆柴を独立した犬種として認めていません。
そのため、血統書上の犬種名は「柴」と記載されます。
これは、豆柴の両親犬が小さくても、その祖先犬の遺伝子によっては、子が大きく育つことがある、ということを意味します。
この「大きくなる確率」を完全に予測することは不可能で、豆柴として迎え入れたのに、成犬時には柴犬と変わらないサイズになるケースは決して珍しくないのです。
将来の大きさをある程度予測するための一つの方法として、両親犬の体高や体重を直接確認することが挙げられます。
信頼できるブリーダーであれば、親犬を見せてくれるはずです。
ただし、これもあくまで目安であり、例外は常に存在します。
このサイズの問題をめぐって、「成長させないために食事を制限する」といった誤った飼育方法をとる飼い主もいますが、これは犬の健康を著しく害する虐待行為であり、絶対に行ってはいけません。
豆柴を迎える際は、「将来、柴犬サイズに大きくなるかもしれない」という可能性を十分に理解し、どんな大きさに育っても最後まで愛情を持って育てるという覚悟が不可欠です。
犬種 | オスの体高 | メスの体高 | オスの体重 | メスの体重 |
---|---|---|---|---|
柴犬 | 38~41cm | 35~38cm | 9~11kg | 7~9kg |
豆柴(目安) | 30~34cm | 28~32cm | 5~6kg | 4~5kg |
豆柴のデメリットを乗り越えるための知識

- 豆柴の値段と生涯コストを把握する
- 室内での飼い方と寿命を伸ばすコツ
- 結局、柴犬とどっちが飼いやすい?
- 豆柴は頭がいい犬ですか?
- 豆柴のデメリットを正しく理解し迎えよう
豆柴の値段と生涯コストを把握する

豆柴を迎える決心をする前に、金銭的な負担について現実的に計画しておくことが極めて大切です。
犬を飼うということは、初期費用だけでなく、その後十数年にわたって継続的な支出が発生することを意味します。
まず、豆柴の子犬自体の値段ですが、ペットショップやブリーダーによって大きく異なり、おおよそ30万円から50万円以上が相場となっています。
毛色や血統によっては、さらに高額になることもあります。
しかし、本当に考慮すべきなのは、迎えた後にかかる「生涯コスト」です。
これは大きく「初期費用」と「月々の費用」に分けられます。
初期費用
子犬を迎える際に、生体価格とは別に最低限必要となる費用です。
- 用品代
ケージ、トイレ、ベッド、食器、首輪、リード、おもちゃ、ブラシなど。おおよそ4~5万円程度を見ておくと良いでしょう。 - 登録・医療費
役所への犬の登録料、狂犬病予防接種、混合ワクチン接種など。合わせて2~3万円程度かかります。
月々の費用
毎月継続的に発生する費用です。
費用項目 | 金額の目安(月額) | 備考 |
---|---|---|
フード・おやつ代 | 3,000~5,000円 | フードの質や量によって変動します |
トイレシーツなど消耗品代 | 1,000~2,500円 | |
医療・ケア代 | 3,000~5,000円 | ノミ・ダニ・フィラリア予防薬など |
ペット保険料 | 1,500~5,000円 | プランや年齢により変動。任意加入ですが備えは大切です |
トリミング代 | 3,000~10,000円 | 自宅でシャンプーする場合は不要なこともあります |
その他(光熱費など) | 変動あり | 夏や冬はエアコンを24時間稼働させる必要があります |
これらを合計すると、保険やトリミングを含め、毎月1万円から2万円以上の費用がかかる計算になります。
さらに、病気やケガをした場合は高額な治療費が必要になることもあります。
ペットには公的な健康保険がないため、治療費は全額自己負担となる点を忘れてはいけません。
豆柴との生活を始める前に、こうした生涯コストをしっかりとシミュレーションし、経済的に無理なく育てていけるかを見極めることが重要です。
室内での飼い方と寿命を伸ばすコツ

豆柴の健康を守り、少しでも長く一緒に過ごすためには、日々の室内での飼い方に気を配ることが鍵となります。
特に豆柴がかかりやすいとされる病気を予防し、心身の健康を保つためのポイントを解説します。
まず、皮膚の健康管理が非常に大切です。
柴犬系統はアレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎になりやすい犬種です。
これを予防・ケアするためには、毎日のブラッシングが欠かせません。
ブラッシングは抜け毛を取り除くだけでなく、血行を促進し、皮膚の状態をチェックする良い機会にもなります。
また、シャンプーは月に1回程度を目安に、保湿性の高い犬用シャンプーを使って行い、皮膚のバリア機能を保つように心がけます。
同時に、アレルギーの原因となりやすい外耳炎を防ぐため、耳の中を定期的に点検し、清潔に保つことも忘れないでください。
次に、食事と体重の管理です。
豆柴は太りやすい体質と言われています。
肥満は関節疾患(膝蓋骨脱臼や椎間板ヘルニアなど)のリスクを高めるだけでなく、心臓にも負担をかけます。
愛犬の体重や活動量に合わせた適正な量のフードを与え、おやつのあげすぎには注意しましょう。
必要なカロリーは計算式で求めることができますが、フードのパッケージに記載されている給与量を目安にするのも良い方法です。
豆柴の平均寿命は10~12歳前後と、柴犬の12~15歳に比べてやや短い傾向にあると言われています。
しかし、これはあくまで平均であり、飼い方次第で寿命を延ばすことは十分に可能です。
日々の健康管理に加え、ストレスを溜めさせない工夫も大切です。
毎日の散歩で運動欲求を満たし、室内でも適度に遊んであげることで、心身ともに健康な状態を維持できます。
日々のこまやかな観察とケアが、愛犬の健康寿命を延ばす最も確実な方法なのです。
結局、柴犬とどっちが飼いやすい?

豆柴を検討する際、多くの人が「標準的な柴犬とどちらが飼いやすいのか」という疑問を抱きます。
これは一概に結論を出せる問題ではなく、飼い主のライフスタイルや犬に何を求めるかによって答えが変わります。
まず、サイズの観点から見ると、豆柴の方が日本の住宅事情には適していると言えるかもしれません。
体が小さい分、室内で必要となるスペースは柴犬よりも少なくて済みます。
持ち運びや車での移動の際も、柴犬よりは負担が少ないでしょう。
ただし、前述の通り、豆柴が必ずしも小さいまま育つとは限らないリスクは常に考慮に入れる必要があります。
性格の面では、豆柴は柴犬よりも甘えん坊な傾向があると言われることがあります。
小型化される過程で、より人間への依存度が高まることがあるようです。
飼い主との密なコミュニケーションを望む人にとっては、豆柴の方がより愛着を感じやすいかもしれません。
一方で、柴犬はより自立心が高く、クールで犬らしい距離感を好む傾向があります。
どちらの性格が合うかは、飼い主の好みによります。
しかし、「飼いやすさ」を「しつけのしやすさ」や「手のかからなさ」と捉えるならば、どちらも初心者にとって簡単な犬種ではない、というのが正直なところです。
両者ともに猟犬としてのルーツを持つため、賢い一方で頑固な面があり、しっかりとしたしつけと社会化トレーニングが不可欠です。
抜け毛の多さや警戒心の強さといった特徴も共通しています。
したがって、「柴犬と豆柴のどちらが飼いやすいか」という問いへの答えは、「飼い主が犬との生活に何を求め、どれだけの時間と労力をかけられるかによる」と言えます。
どちらの犬種を選ぶにしても、その特性を深く理解し、生涯にわたって責任を持つという覚悟が最も大切です。
豆柴は頭が良い犬?

「豆柴は頭が良い犬ですか?」という質問は、これから飼おうとする方々から非常によく聞かれます。
この問いに対する答えは、「はい、しかしその賢さには注意が必要です」となります。
豆柴は、柴犬の血を引いているため、状況を判断し、物事を学習する能力は非常に高い犬種です。
トイレの場所を覚えたり、基本的なコマンド(おすわり、まて、など)を理解したりするのは比較的早いでしょう。
飼い主の表情や声のトーンを敏感に察知し、何を求められているのかを理解しようとします。
この点において、豆柴は間違いなく「頭がいい」犬と言えます。
しかし、この賢さは諸刃の剣でもあります。
豆柴はただ指示に従うだけでなく、「この指示に従うことにメリットがあるか」を自分で判断する能力も持っているのです。
つまり、飼い主との間にしっかりとした信頼関係が築けておらず、飼い主がリーダーとして認識されていない場合、豆柴は「賢いがゆえに」言うことを聞かなくなります。
嫌なことは嫌だと自己主張し、自分の思い通りに行動しようとすることもあります。
このため、豆柴の賢さを良い方向に引き出すためには、子犬の頃からの一貫したしつけが不可欠です。
甘やかすことなく、しかし愛情を持って、して良いことと悪いことを明確に教え、飼い主が頼れるリーダーであることを示す必要があります。
主従関係を正しく構築できれば、豆柴はその高い学習能力を発揮し、飼い主の意図を深く理解する素晴らしいパートナーになります。
要するに、豆柴は知能が高い犬種ですが、その賢さを正しく導くためには飼い主側の知識と努力が求められる、ということです。
豆柴のデメリットを正しく理解し迎えよう

この記事では、豆柴を飼う上で直面する可能性のある様々なデメリットや注意点について詳しく解説してきました。
最後に、豆柴を家族として迎える前に心に留めておくべき重要なポイントをまとめます。
- 豆柴は正式な犬種ではなく「小さい柴犬」である
- 成長後に標準的な柴犬のサイズになる可能性がある
- サイズが大きくなっても最後まで愛情を持って育てる覚悟が必要
- 猟犬の血を引くため毎日の散歩と十分な運動が不可欠
- 賢いが自立心も強く頑固な一面がある
- 子犬の頃からの根気強いしつけと社会化が必須
- 警戒心が強く見知らぬ人や犬に吠えることがある
- 抜け毛が非常に多く特に換毛期のケアは大変
- アレルギー性皮膚炎など皮膚トラブルに注意が必要
- 柴犬より平均寿命がやや短い傾向にある
- 信頼できるブリーダーや店舗から迎えることが重要
- 生体価格だけでなく生涯かかるコストを把握しておく
- 肥満になりやすいため食事と体重の管理が大切
- 飼い主との信頼関係が何よりも重要
- デメリットを理解し乗り越える覚悟があれば最高のパートナーになる