愛犬が足を引きずる、散歩に行きたがらないなど、関節炎が疑われる歩き方を見せると、飼い主としては心配になりますよね。
動物病院で治療法を探す中で、ガリプラントという薬について知り、その犬への効果に関心を持った方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ガリプラントに関する様々な疑問にお答えします。
具体的には、どのくらいの効果時間が見込めるのか、期待される即効性はあるのか、あるいは効かないと感じるケースはあるのかといった有効性の側面から、気になる副作用や眠気の可能性、投与が禁止される禁忌の条件まで、科学的な情報に基づいて詳しく解説します。
さらに、ガリプラント60は犬に使えるのかといった具体的な用量、最適な投与タイミングはいつ飲むべきか、そして継続治療で重要となる値段や、実際に使用した方の口コミで語られがちなポイントまで、あなたが知りたい情報を網羅的にまとめています。
- ガリプラントの有効成分と痛みを和らげる仕組み
- 考えられる副作用や投与してはいけないケース
- 効果的な投与方法と用量の目安
- お得に購入できる方法と値段の比較
ガリプラントが犬に与える効果の基本情報

- 犬の関節炎による歩き方への効果
- ガリプラントに即効性はあるのか
- ガリプラントの効果時間と持続性
- ガリプラントが効かないと感じる原因
- 知っておきたい副作用と安全な使い方
- 投与前に確認すべき禁忌事項
犬の関節炎による歩き方への効果

ガリプラントは、犬の慢性骨関節炎(OA)に伴う痛みと炎症を和らげることで、歩き方の改善が期待できるお薬です。
足を引きずる、立ち上がりにくそうにする、階段を嫌がるなど、関節の痛みからくる愛犬のつらい症状を軽減する目的で処方されます。
この薬の有効成分である「グラピプラント」は、ピプラント系という新しいグループに分類される鎮痛薬です。
この成分が持つ大きな特徴は、痛みの原因となる特定の物質だけに的を絞って作用する点にあります。
体内で痛みや炎症が起きる際、プロスタグランジンという物質が関与しますが、グラピプラントは、このプロスタグランジンが結合する複数の受け皿(受容体)の中でも、痛みと炎症に強く関連する「EP4受容体」という部分だけを選択的にブロックします。
これにより、痛みの信号が伝わるのを効率的に妨げ、つらい症状を和らげることができるのです。
海外で行われた臨床試験では、ガリプラントを投与された変形性関節症の犬の約半数で、飼い主と獣医師の両方の評価において痛みの改善が認められたという報告もあります。
したがって、これまで痛みで動きが鈍くなっていた犬が、よりスムーズに動けるようになる可能性があります。
参考 Rausch-Derra et al., 2016 – J. Vet. Intern. Med.
ガリプラントに即効性はあるのか

ガリプラントに即効性を期待できるかどうかは、犬が抱えている痛みの種類によります。
要するに、この薬は急性の激しい痛みに対してすぐに効果を発揮するタイプの薬ではなく、慢性的な痛みをじっくりと管理していくのに適した薬と考えるのが適切です。
なぜなら、ガリプラントの作用機序は、痛みに関連する特定の経路(EP4受容体)をピンポイントで遮断することに特化しているからです。
一方で、従来の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、痛みの原因となるプロスタグランジンの生成そのものを広く抑制するため、急な炎症や強い痛みに対しても比較的早く効果を示す傾向があります。
実際に、犬の急性関節炎を模した研究モデルでは、ガリプラントの効果は限定的で、従来のNSAIDsの方が優れた効果を示したというデータも存在します。
このため、獣医師はガリプラントを処方した後、すぐに効果が出なくても14日間程度は状態を観察し、臨床徴候の改善が見られるかを確認することが一般的です。
これらのことから、ガリプラントは手術直後のような急性の痛み止めというよりは、変形性関節炎のような長く続く痛みをコントロールするための選択肢と理解するのが良いでしょう。
参考 de Salazar Alcalá et al., 2019. BMC Vet Res.
ガリプラントの効果時間と持続性

ガリプラントは、1日1回の投与で約24時間、効果が持続するように設計されているお薬です。
この持続性により、飼い主は投薬の手間を最小限に抑えつつ、愛犬の痛みを継続的に管理できます。
この薬の有効成分であるグラピプラントは、体内に吸収された後、適切な血中濃度を一定時間保つように作られています。
メーカーが推奨する用法用量が「1日1回」と定められていること自体が、一度の投与で効果が丸一日続くことを示しています。
毎日投与を続けることで、体内の薬物濃度が安定し、慢性的な関節の痛みに対して切れ目のない鎮痛効果が期待できるのです。
安定した効果を得るためには、毎日なるべく同じ時間帯に投与を続けることが鍵となります。
例えば、毎朝の食事前に与えるなど、生活のリズムに合わせて投薬時間を決めておくと、忘れにくく、効果の維持にもつながります。
もし投与を忘れてしまった場合は、獣医師の指示を仰ぐのが安全です。
ガリプラントが効かないと感じる原因

ガリプラントを一定期間投与しても「期待したほど効かない」と感じる場合、いくつかの原因が考えられます。
痛みの原因がガリプラントの作用対象ではないことや、投与方法が適切でないことなどが主な理由として挙げられます。
第一に、犬の痛みの原因が、ガリプラントが得意とする慢性骨関節炎によるものではない可能性です。
ガリプラントは、炎症を伴う痛みの中でもEP4受容体が関わる特定の経路に作用します。
このため、例えば椎間板ヘルニアのような神経性の痛みや、他の内臓疾患、あるいは癌などが原因の痛みに対しては、十分な効果を示さない場合があります。
第二に、投与方法が正しくないケースです。
ガリプラントは空腹時の投与が推奨されています。
もし食事と同時に、あるいは食後すぐに与えていると、薬の吸収効率が低下し、本来の効果が十分に発揮されない可能性があります。
これらの理由から、メーカーや獣医師は、14日間投与を継続しても症状の改善が見られない場合は、投与を中止して再評価することを推奨しています。
効かないと感じたときは自己判断で投与を続けるのではなく、必ずかかりつけの獣医師に相談し、痛みの原因を再特定したり、治療方針を見直したりすることが大切です。
知っておきたい副作用と安全な使い方

ガリプラントは、従来の消炎鎮痛剤と比較して安全性が高いとされていますが、副作用が全くないわけではありません。
使用する上で最も報告されているのは、軽度で一過性の消化器症状です。
具体的には、嘔吐や軟便、下痢、食欲不振などが認められることがあります。
これらの症状の多くは投与開始後の早い段階で見られ、自然に回復するケースがほとんどです。
しかし、症状が続いたり、ごく稀に報告される粘液便や血便のような状態が見られたりした場合は、速やかに投与を中止し、獣医師の診察を受ける必要があります。
この薬の安全性が高いとされる理由は、胃の粘膜保護や腎臓の血流維持に関わる他のプロスタグランジンの働きを阻害しにくいという作用機序にあります。
健康な犬を対象とした長期の安全性試験では、推奨量の25倍もの高用量を9ヶ月間連続で投与しても、消化器や腎臓、肝臓といった主要な臓器に重篤な障害は認められなかったと報告されています。
安全に使うためには、獣医師から指示された用法用量を厳守することが基本です。
また、投与後は飼い主自身の手をよく洗い、お子様や他のペットが誤って薬を口にしないよう、安全な場所に保管することを心がけてください。
参考 Rausch-Derra et al., 2015. Am J Vet Res.
投与前に確認すべき禁忌事項

ガリプラントは安全性の高い薬ですが、全ての犬に使えるわけではなく、投与してはいけない「禁忌」に該当するケースがいくつか定められています。
愛犬の安全を守るため、投与前には必ずこれらの条件に当てはまらないかを確認することが不可欠です。
主に、以下の条件に該当する犬にはガリプラントを投与できません。
- 年齢と体重
9ヶ月齢未満の子犬、および体重が3.6kg未満の小型犬には投与しないでください。これらの犬に対する安全性が確立されていないためです。 - 妊娠・授乳・繁殖
妊娠中、授乳中の母犬、またはこれから繁殖を予定している犬への投与は禁忌です。胎児や子犬への影響に関する安全性が確認されていません。 - アレルギー
有効成分のグラピプラント、または添加剤として含まれる豚肝臓由来のフレーバーなどに過去に過敏症を示したことがある犬には使用できません。 - 他の薬剤との併用
他の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やステロイド系抗炎症薬との併用は、副作用のリスクを高める可能性があるため避けるべきです。また、血液をサラサラにするクマリン系抗凝固剤など、血漿蛋白との結合率が高い一部の薬剤との併用にも注意が必要です。
これらの禁忌事項に加えて、肝臓や腎臓、心臓に疾患がある犬、または消化器系が弱い犬への投与は、獣医師がリスクとベネフィットを慎重に判断した上で行われます。
飼い主としては、愛犬の現在の健康状態や過去の病歴、今飲んでいる他の薬について、正確に獣医師に伝えることが安全な治療への第一歩となります。
ガリプラント犬への効果を最大限に引き出す方法

- 効果的な投与タイミングはいつ飲むべき?
- ガリプラント60mgは犬の体重で選ぶ
- 用量別の値段とコスト比較
- ガリプラントはペットくすりがお得
- 総括:ガリプラント犬への効果と注意点
効果的な投与タイミングはいつ飲むべき?

ガリプラントの効果を最大限に引き出すためには、投与のタイミングが非常に大切です。
この薬は、1日1回、空腹時に与えることがメーカーから強く推奨されています。
その理由は、食事と一緒に投与すると薬の吸収が妨げられ、体内に取り込まれる有効成分の量が減ってしまう可能性があるためです。
空腹の状態で投与することで、成分が効率よく吸収され、安定した血中濃度を保ちやすくなり、結果として十分な鎮痛効果が期待できます。
具体的には、「次の食事を与える1時間前まで」に投与するのが一つの目安とされています。
例えば、朝食が午前8時の場合、午前7時までにガリプラントの投与を済ませておく、という具合です。
毎日の投薬時間をなるべく一定に保つことで、薬の効果が安定し、愛犬の痛みを継続的にコントロールしやすくなります。
もし、愛犬が薬をそのまま飲むのを嫌がる場合は、ごく少量の好物に包んで与えるなどの工夫が必要になるかもしれませんが、その際もできるだけ空腹の状態を保てるよう配慮するのが望ましいです。
正しい投与タイミングを守ることが、治療効果を高めるための重要なポイントと言えます。
ガリプラント60mgは犬の体重で選ぶ
ガリプラントには20mg、60mg、100mgといった複数の規格があり、犬の体重に合わせて適切なものを選ぶ必要があります。
中でも「ガリプラント60mg」は、主に中型犬から大型犬の治療によく用いられる規格です。
この薬の基本的な投与量は、犬の体重1kgあたり有効成分グラピプラントとして1.5mgから2.9mgの範囲内になるように設定されています。
獣医師は犬の正確な体重を基に、この基準に最も近くなるように錠剤の種類や数を組み合わせて処方します。
例えば、体重が30kgの犬の場合、単純計算で必要なグラピプラントは約60mg(2mg/kgで計算)となります。
このケースでは、ガリプラント60mg錠を1錠、というのが基本的な投与量の一つになります。
錠剤には分割線が入っているものもあり、半錠に割ってより細かく用量を調整することも可能です。
自己判断で用量を決めたり、他の犬に処方された薬を流用したりすることは、効果が不十分であったり、過剰投与による副作用のリスクを高めたりするため、絶対に避けるべきです。
必ず獣医師の診断と指示に基づき、愛犬の体重に合った正しい規格と用量のガリプラントを使用してください。
用量別の値段とコスト比較

ガリプラントの値段は、錠剤に含まれる有効成分の量(mg)や一度に購入する錠数によって異なります。
慢性的な関節炎の治療には長期的な投与が必要になることが多いため、コストを把握しておくことは飼い主にとって大切です。
一般的に、動物病院で処方されるよりも、海外からの医薬品を扱う個人輸入代行サイトなどを利用する方が、値段を抑えられる傾向があります。
また、どちらで購入する場合でも、30錠入りよりも90錠入りといった、より多くの錠数をまとめて購入する方が、1錠あたりの単価は安くなるのが普通です。
以下に、個人輸入代行サイトにおける価格の一例を参考に示します。
これはあくまで目安であり、為替レートや販売サイトによって変動します。
用量 | 内容量 | 販売価格(目安) | 1錠あたり価格(目安) |
---|---|---|---|
60mg | 30錠 | 11,300円 | 376円 |
60mg | 90錠 | 30,600円 | 340円 |
100mg | 30錠 | 17,300円 | 576円 |
100mg | 90錠 | 46,800円 | 520円 |
このように、大容量のパッケージを選ぶことで、1錠あたりのコストを数パーセントから10パーセント近く節約できる場合があります。
長期的な使用が見込まれる場合は、獣医師と相談の上、まとめ買いを検討するのも一つの方法です。
>> 無料で獣医師に相談するガリプラントはペットくすりがお得
前述の通り、ガリプラントを継続的に使用する場合、治療費は飼い主にとって大きな関心事となります。
その費用を少しでも抑えるための一つの選択肢として、ペット医薬品の個人輸入代行サイトである「ペットくすり」の利用が挙げられます。
ペットくすりのようなサイトを利用する最大のメリットは、価格面にあります。
動物病院での処方に比べて、同じ薬をより安価に入手できるケースが多く見られます。
これは、サイトが海外の販売業者と直接取引を行い、流通コストを削減しているためです。
特に、長期投与が必要な慢性疾患の薬では、この価格差が年間の治療費に大きく影響してくる可能性があります。
また、多くのサイトでは、まとめ買いによる割引制度が設けられています。
例えば、30錠よりも90錠のパッケージを選ぶと、1錠あたりの単価が安くなるため、継続が決まっている場合には経済的です。
さらに、購入金額に応じてポイントが付与され、次回の買い物時に割引として利用できる制度も、長期的な利用者にとっては魅力的な点です。
もちろん、個人輸入には海外からの発送となるため手元に届くまで時間がかかることや、全て自己責任となる点を理解しておく必要があります。
しかし、これらの点を踏まえた上で賢く利用すれば、ペットくすりは愛犬の治療を経済的に支える心強い味方になり得ます。
総括:ガリプラント犬への効果と注意点

この記事では、犬の関節炎治療薬であるガリプラントについて、その効果から副作用、使い方、購入方法までを詳しく解説しました。
最後に、特に重要なポイントを以下にまとめます。
- ガリプラントは犬の慢性骨関節炎に伴う痛みを緩和する薬
- 有効成分はグラピプラントでピプラント系に分類される
- 痛みの信号を伝えるEP4受容体を選択的にブロックして作用する
- 従来のNSAIDsとは異なり胃腸や腎臓への負担が少ないとされる
- 急性の激しい痛みより慢性的な痛みの管理に適している
- 効果が実感できるまでには一定の観察期間が必要な場合がある
- 主な副作用は一過性の嘔吐や軟便などの軽度な消化器症状
- 1日1回、空腹時に投与するのが最も効果的な使い方
- 具体的な投与タイミングは次の食事の1時間前が目安
- 9ヶ月齢未満や体重3.6kg未満の子犬には使用できない
- 妊娠中、授乳中、繁殖予定の犬への投与は禁忌
- 他の消炎鎮痛剤(NSAIDsやステロイド)との併用は避ける
- 用量は犬の正確な体重に基づき獣医師が決定する
- 長期投与で費用を抑えたい場合、ペットくすりでの購入が選択肢となる
- 治療方針については必ずかかりつけの獣医師と相談することが大切