「アメリカンブリーとピットブルの違い」について調べているあなたは、見た目がよく似たこの2つの犬種に、どのような差があるのか疑問に思っていることでしょう。
例えば、それぞれの性格や実際の飼いやすさはどう違うのか、アメリカンブリーは凶暴で危険犬種という噂は本当なのか、といった点が気になるかもしれません。
また、アメリカンブリーは何のミックスで誕生したのかというルーツや、似た名前のアメリカンブリーとエキゾチックブリーの違いについても知りたいと考えているのではないでしょうか。
さらに、実際に家族として迎えることを検討する上では、ブリーダーからの販売値段や平均的な寿命、気になる臭いや事故のリスク、そして日本におけるアメリカンブリーXLの状況など、具体的な情報が不可欠です。
- ルーツや作出目的からわかる根本的な違い
- 性格や飼いやすさ、値段など飼育面での具体的な比較
- 危険性や事故に関する正しい知識と予防策
- サイズや種類ごとの特徴と日本での飼育状況
ルーツから探るアメリカンブリーとピットブルの違い

- そもそもアメリカンピットブルとアメリカンブリーの違いは?
- アメリカンブリーは何のミックスで誕生した犬種?
- 性格の違いと実際の飼いやすさを比較
- アメリカンブリーは危険犬種で凶暴なのか
- アメリカンブリーとエキゾチックブリーの違い
そもそもアメリカンピットブルとアメリカンブリーの違いは?

アメリカンブリーとアメリカン・ピット・ブル・テリア(以下ピットブル)の最も大きな違いは、その作出された目的にあります。
両者は外見が非常に似ていますが、その背景を知ることで根本的な差異が理解できます。
ピットブルは、19世紀に闘犬として生み出された歴史を持ちます。
そのため、闘争心や高い身体能力が重視されてきました。
もちろん、飼い主に対しては非常に忠実な犬種ですが、そのルーツから他の犬に対しては攻撃的な側面を見せる可能性も否定できません。
一方、アメリカンブリーは、ピットブルの中でも特に温厚で家庭犬に向く個体を選んで交配し、2000年代に入ってから確立された新しい犬種です。
その目的は、ピットブルの力強い外見を受け継ぎつつ、闘犬としての攻撃的な性質を取り除き、理想的な家庭の伴侶犬(コンパニオン・ドッグ)を作出することでした。
したがって、両者の違いは単なる見た目の差ではなく、犬種として目指す方向性そのものにあると言えます。
ピットブルが「闘うための犬」としての側面を持つのに対し、アメリカンブリーは「家族と暮らすための犬」として誕生したのです。
アメリカンブリーは何のミックスで誕生した犬種?

アメリカンブリーは、特定の犬種同士を一度だけ交配させた純血種とは異なり、理想的な姿と性格を追求するために複数の犬種が関わって作出されました。
その根幹となっているのは、アメリカン・ピット・ブル・テリアです。
ブリーダーたちは、ピットブルの筋肉質で力強い骨格を基礎としながら、より家庭犬に適した性質と、よりがっしりとして重量感のある体型を目指しました。
この過程で、アメリカン・スタッフォードシャー・テリアや、ブルドッグ系の犬種(アメリカン・ブルドッグやイングリッシュ・ブルドッグなど)の血が導入されたと考えられています。
ブルドッグ系の血が入ったことにより、アメリカンブリーはピットブルに比べてマズルが短く、頭部が大きく、全体的に横幅のあるがっしりとした体つきになりました。
このように、アメリカンブリーは単一のミックスではなく、特定の目的のために複数の犬種の長所を組み合わせて作られた「デザイナー犬種」の一種と捉えるのが適切です。
ただ、歴史がまだ浅いため、主要なケネルクラブ(犬種認定団体)では公認犬種として認められていないのが現状です。
性格の違いと実際の飼いやすさを比較

性格とそれに伴う飼いやすさは、アメリカンブリーとピットブルを選ぶ上で最も重要な比較ポイントです。
結論から言うと、一般的にはアメリカンブリーの方が家庭犬としての飼いやすさを持っていると考えられます。
その理由は、前述の通り、アメリカンブリーが穏やかで愛情深い性格になるように意図的に改良されてきたからです。
彼らは飼い主や家族に対して非常に献身的で、子供とも良好な関係を築きやすいと言われています。
また、知能が高く、飼い主を喜ばせたいという気持ちが強いため、しつけも比較的入りやすい傾向があります。
対照的にピットブルは、飼い主に対しては深い愛情と忠誠心を示しますが、闘犬としての本能から、他の犬や小動物、時には見知らぬ人に対して強い警戒心や攻撃性を見せることがあります。
もちろん、すべてのピットブルがそうであるわけではなく、適切な社会化としつけを行えば素晴らしい家庭犬になります。
しかし、そのポテンシャルを最大限に引き出すには、犬の扱いに慣れた経験豊富な飼い主が求められるでしょう。
これらの点を踏まえると、特に犬の飼育が初めての方や、小さなお子さんがいるご家庭では、アメリカンブリーの方が安心して迎えやすい犬種と言えるかもしれません。
特徴 | アメリカンブリー | アメリカン・ピット・ブル・テリア |
---|---|---|
基本的な性格 | 穏やか、愛情深い、人懐っこい | 飼い主に従順、勇敢、エネルギッシュ |
他の犬への態度 | 比較的友好的(適切な社会化が前提) | 攻撃性を示す可能性があり、注意が必要 |
飼いやすさ | 家庭犬向きで、比較的安定している | 犬の飼育経験が豊富な上級者向き |
しつけのポイント | 従順で学習意欲が高い | 闘争本能を理解した上での徹底した訓練が不可欠 |
必要な配慮 | 闘犬の血を引くことを忘れず、しつけは厳格に | 社会化期に多様な環境に慣れさせることが極めて大切 |
アメリカンブリーは危険犬種で凶暴なのか

「アメリカンブリーは危険で凶暴」というイメージは、そのルーツであるピットブルの印象や、筋肉質で強面な外見から来る誤解が大部分を占めています。
犬種だけで「危険」と断定することはできず、その個体の性格や飼育環境が行動を大きく左右します。
確かに、アメリカンブリーは闘犬の血を引いており、その顎の力や身体能力は非常に高いものがあります。
万が一の事故が起きた場合、相手に大きな怪我を負わせてしまう可能性があることは事実です。
しかし、これはアメリカンブリーが「凶暴だから」というわけではありません。
アメリカンブリーという犬種は、作出の過程で攻撃的な性質を意図的に取り除くよう、選択的な交配が繰り返されてきました。
そのため、本来の性質は非常に穏やかで、人懐っこいものです。
子犬の頃から適切なしつけと、他の犬や人と触れ合う「社会化」を十分に行うことで、その穏やかな性質を育むことができます。
要するに、アメリカンブリーが危険な存在になるかどうかは、飼い主の責任ある飼育にかかっていると言えます。
犬の力をコントロールするための訓練を怠ったり、社会性を身につけさせなかったりすれば、どんな犬種でも問題行動を起こす可能性があります。
犬種に対する先入観で判断するのではなく、一頭一頭の個性と向き合い、適切な管理をすることが大切です。
アメリカンブリーとエキゾチックブリーの違い

アメリカンブリーとエキゾチックブリーは、しばしば混同されますが、両者は異なる特徴を持つ犬種です。
エキゾチックブリーは、アメリカンブリーから派生し、その特徴をさらに極端に、そしてユニークに強調した犬種と理解すると分かりやすいでしょう。
エキゾチックブリーの作出目的は、アメリカンブリーが持つ「がっしりとした体格」や「大きな頭部」といった特徴を、よりコンパクトな体で表現することにありました。
その過程で、フレンチブルドッグやショートヘアード・ブルドッグなどの血がより強く影響していると考えられています。
結果として、エキゾチックブリーはアメリカンブリーに比べて、
- さらに体高が低い
- 骨格が太く、筋肉量が非常に多い
- 頭部がより大きく、マズル(鼻先)が極端に短い
- 皮膚のシワが多い
といった、デフォルメされたような外見的特徴を持ちます。
この特異な外見は一部の愛好家から高い人気を得ていますが、一方で極端な体型は健康上のリスクを伴うこともあります。
特に、マズルが短いことによる呼吸器系の問題や、皮膚のシワによる皮膚疾患など、アメリカンブリー以上に慎重な健康管理が求められます。
以上の点から、両者はルーツを共有しつつも、外見の方向性や飼育上の配慮点が異なる、別のカテゴリーの犬種と認識するのが適切です。
飼育視点で見るアメリカンブリーとピットブルの違い

- アメリカンブリーの値段と販売ブリーダーの探し方
- 気になるアメリカンブリーの寿命
- アメリカンブリーによる事故を防ぐための注意点
- アメリカンブリーの臭いの原因と対策
- アメリカンブリーXLは日本で飼育できる?
- 理解を深めるアメリカンブリーとピットブルの違い
アメリカンブリーの値段と販売ブリーダーの探し方

アメリカンブリーを家族に迎えたいと考えた場合、その入手方法と費用は重要な検討事項です。
日本ではまだ頭数が少なく、ペットショップの店頭で見かけることはほとんどありません。
そのため、主な入手方法は専門のブリーダーから直接譲り受けることになります。
値段の相場は、血統やタイプ、ブリーダーによって変動しますが、一般的には25万円から30万円程度が一つの目安となります。
時には、ショータイプとしての素質を持つ子犬や、珍しい毛色の場合は、これ以上の価格がつくこともあります。
信頼できるブリーダーを探すことが、後悔しないための最も大切なステップです。
悪質なブリーダーの中には、性格を考慮せず乱雑に繁殖させたり、ピットブルをアメリカンブリーと偽って販売したりするケースも存在します。
優良なブリーダーを見分けるためには、以下の点を確認すると良いでしょう。
- 犬舎を実際に見学させてくれるか
- 親犬の性格や健康状態を確認できるか
- 衛生的な環境で飼育されているか
- 犬種に関する知識が豊富で、質問に誠実に答えてくれるか
- 購入後の相談にも乗ってくれるか
人気のブリーダーでは子犬が生まれるのを予約して待つことも珍しくありません。
したがって、アメリカンブリーを迎えたい方は、早めに情報を集め、信頼できるブリーダーにコンタクトを取っておくことをお勧めします。
気になるアメリカンブリーの寿命

アメリカンブリーの平均寿命については、犬種としての歴史が浅いため、まだ確立された公式データが存在しないのが実情です。
しかし、そのルーツであるピットブルや、交配に関わったとされるブルドッグ系の犬種の寿命から、おおよその目安を推測することは可能です。
一般的に、ピットブルの寿命は12歳から14歳程度と言われています。
このことから、アメリカンブリーの寿命も同程度の12歳前後と考えられます。
もちろん、これはあくまで平均的な数値であり、個々の犬の寿命は遺伝的な要因や飼育環境によって大きく変わってきます。
愛犬に一日でも長く健康でいてもらうためには、日々の丁寧なケアが不可欠です。
具体的には、
- 年齢や体調に合った、バランスの取れた食事を与える
- 筋肉量を維持し、ストレスを発散させるための適度な運動(散歩など)を欠かさない
- 快適で安全な室内環境を整える
- 定期的な健康診断を受け、病気の早期発見・早期治療に努める
といったことが挙げられます。
特にアメリカンブリーは、後述するような特定の病気にかかりやすい傾向があります。
これらのリスクを理解し、日頃から愛犬の様子をよく観察することが、健やかな生活を支える上で何よりも大切です。
アメリカンブリーによる事故を防ぐための注意点

アメリカンブリーは本来穏やかな性質を持つ犬種ですが、その力強い体格と闘犬の血を引く背景から、万が一の事故を防ぐための配慮は飼い主の重要な責務です。
事故防止の鍵は、「徹底したしつけと社会化」「飼い主の管理意識」「犬の習性への理解」の3点に集約されます。
まず、子犬の頃から「して良いこと」と「絶対にしてはいけないこと」を明確に教え込む必要があります。
特に、人や他の犬を噛むことは、たとえ遊びであっても厳しく制止し、許されない行為であることを理解させなければなりません。
また、様々な人や犬、環境に慣れさせる社会化を十分に行うことで、不必要な恐怖心や警戒心からくる攻撃的な行動を予防できます。
次に、公共の場での管理意識が不可欠です。
散歩中は必ずリードを短く持ち、犬の動きをコントロールできるようにしてください。
他の犬や子供に不用意に近づけさせない配慮も大切です。
ドッグランのような場所でも、絶対に目を離さず、愛犬の行動に常に注意を払いましょう。
そして、犬の習性を理解することも事故防止に繋がります。
例えば、アメリカンブリーは縄張り意識が強い傾向があるため、多頭飼いには慎重な検討が必要です。
また、短頭種であるため激しい運動は呼吸困難を招くリスクがあることも知っておくべきです。
これらの特性を理解し、犬に過度なストレスや興奮を与えない環境を整えることが、結果として事故を防ぐことに繋がります。
アメリカンブリーの臭いの原因と対策

アメリカンブリーを飼育する上で、気になる点の一つが体臭です。
彼らの臭いの主な原因は、特徴的な体の構造に由来するものが多く、日々のお手入れによって十分に管理することが可能です。
最大の原因は、顔や体にある深いシワです。
このシワの間は通気性が悪く、湿気がこもりやすいため、皮脂や汚れが溜まりがちです。
放置すると、これをエサに雑菌が繁殖し、皮膚炎や不快な臭いを引き起こします。
対策としては、毎日、濡らしたタオルや犬用のウェットティッシュなどでシワの間を優しく拭き、清潔に保つことが最も効果的です。
また、アメリカンブリーはよだれの量が多い犬種でもあります。
口周りによだれが付着したままだと、皮膚炎(よだれやけ)を起こし、これも臭いの一因となります。
よだれに気づいたら、その都度こまめに拭き取ってあげる習慣をつけましょう。
これらに加え、定期的なシャンプーやブラッシングも有効です。
ブラッシングは抜け毛を取り除くだけでなく、皮膚の血行を促進し、健康な状態を保つのに役立ちます。
このように、日々のこまめなケアを習慣づけることが、臭いを抑え、同時に愛犬の皮膚の健康を守るための鍵となります。
アメリカンブリーXLは日本で飼育できる?

結論として、2025年現在、日本国内でアメリカンブリーXLの飼育を法的に禁止する規制はありません。
したがって、日本で飼育すること自体は可能です。
アメリカンブリーXLは、その名の通りアメリカンブリーの中でも特に大きく作出されたタイプで、体高がオスで51cm以上、メスで48cm以上にもなる大型犬に分類されます。
スタンダードタイプと比べても一回り以上大きく、その存在感と力は圧倒的です。
近年、イギリスでアメリカンブリーXLによる死亡事故が相次いだことを受け、同国では危険犬種として指定され、新たな飼育が禁止されるなどの厳しい規制が敷かれました。
しかし、日本では特定の犬種を一律に危険犬種として規制する法律は導入されていません。
とは言え、日本で飼育が可能だからといって、安易に迎えられるわけではないことを理解する必要があります。
XLの持つパワーは非常に強く、散歩時に引っ張る力も相当なものです。
飼い主には、犬をコントロールできるだけの体力と、より徹底したしつけを行う技術と覚悟が求められます。
また、その大きな体格は、周囲の人々に威圧感や恐怖心を与えかねません。
公共の場では、スタンダードタイプ以上に細心の注意と配慮が不可欠です。
飼育はできますが、その大きさゆえの責任の重さを十分に理解し、自身の生活環境や体力、犬の飼育経験などを総合的に判断した上で、慎重に検討することが何よりも大切です。
理解を深めるアメリカンブリーとピットブルの違い

この記事を通じて、アメリカンブリーとピットブルの違いについて、多角的に解説してきました。
最後に、その要点を改めて整理し、両犬種の理解をさらに深めましょう。
- アメリカンブリーはピットブルから穏やかな性格に改良された新しい犬種
- 両者の最大の違いは闘犬か家庭犬かという作出目的と気質にある
- 外見は似ていても性格や推奨される飼い主像は異なる
- アメリカンブリーは人懐っこく愛情深い性質で家庭犬に向く
- ピットブルは飼い主への忠誠心は高いが経験豊富な飼い主向けの傾向
- 「危険犬種」というレッテルは単純化されており飼育環境やしつけが行動を左右する
- 正しい知識と愛情ある飼育を行えば凶暴になるリスクは大幅に低減できる
- 値段の相場は25万円から30万円程度で専門ブリーダーからの入手が主流
- 後悔しないためには信頼できるブリーダーを慎重に選ぶことが鍵となる
- 平均寿命は12歳前後とされ日々の丁寧な健康管理が長寿に繋がる
- 皮膚のシワやよだれの手入れを怠ると臭いや皮膚病の原因になる
- 事故防止の基本は子犬期からの徹底したしつけと社会化、そして飼い主の管理意識
- 大型のアメリカンブリーXLは日本でも飼育可能だが相応の知識と覚悟が必要
- アメリカンブリーとエキゾチックブリーは外見や健康上の配慮点が異なる
- 両犬種の違いを正しく理解し自身のライフスタイルに合うかを熟慮することが最も大切